OVHcloud、シンガポールにデータセンターを開設
ほとんどがサードパーティサイトのスペースだが、同社独自の水冷技術を使用
欧州のクラウドデータセンター企業OVHcloudは、シンガポールに新しいデータセンターを設立すると発表しました。
シンガポールは新規データセンターの容量に厳しい制限があるため、DCDはこれが新しい施設ではないと予想しています。シンガポールにある同社の既存のキャパシティと同様、他社が所有する既存のデータセンター内のスイートになると思われます。しかし、OVHcloudによると、この施設では独自の先進的な水冷技術を採用し、アジア太平洋地域でこれまでで最も持続可能なデータセンターになるということです。
「OVHcloudの最新データセンターは、サーバーレベルでの冷却を容易にするよう設計された垂直ラックに組み込まれた統合水冷システムを特徴とし、サーバールームでの空調の必要性を排除します」と同社は述べています。
OVHは、データセンターの場所や規模については明らかにしていません。同地でのデータセンター開発に関する現在の制限を考えると、同社が他のプロバイダーからリースしていることはほぼ間違いないでしょう。
「アジア太平洋地域随一のデジタル都市であるシンガポールは、OVHcloudにとって重要な市場です。シンガポールがデジタルイノベーションの主要拠点としての地位を維持するためには、デジタル化に伴う二酸化炭素排出量を削減し、生成AIのような新技術のコンピューティングニーズをサポートできるデータセンター、特に持続可能なデータセンターが必要です」OVHcloudの最高経営責任者(CEO)であるMichel Paulin氏は、このように述べています。「20年以上にわたる水冷技術のパイオニアとして、お客様のデジタルニーズの進化に伴い、持続可能なクラウドソリューションに対するニーズに確実にお応えできることを確信しています」
今回の開設は、2024年までに15拠点を新設するというOVHの計画の一環です。同社は今年初め、インドのムンバイに拠点を開設し、来年にはシドニーにも開設する予定です。
同社はこれまでに、フランス、カナダ、米国、オーストラリア、ドイツ、ポーランド、英国で30以上のデータセンターを運営中および建設中であると発表しています。
OVHcloudのAPAC担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのTerry Maiolo氏は、次のように述べています。「OVHの最新のデータセンターは、シンガポールとこの地域のお客様に、最適化され予測可能なパフォーマンスと価格の比率を持つ、高性能で持続可能なクラウドソリューションを提供し、お客様のデジタルへの野望をサポートします」
シンガポールは2019年以降、データセンターの新規開発を一時停止しています(ただし、過去に許可された施設の建設は許可されています)。2022年7月、シンガポール経済開発庁(EDB)と情報通信メディア開発庁(IMDA)は、企業が新たな施設開発の許可を得るための入札を許可する試験的スキームを発表し、禁止は若干緩和されました。
Equinix、GDS、マイクロソフト、そしてAirTrunk、TikTokを所有するByteDanceのコンソーシアムは今年、合計80MWの容量を許可されました。具体的な詳細はまだ明らかにされていません。
Singtelは最近、シンガポールで58MWのデータセンターに着工しました。この通信事業者が、モラトリアムが導入される前に新しいデータセンターの建設許可を取得していたかどうかは不明で、SingtelはDCDのコメント要請に回答していません。
2021年、OVHcloudはシンガポールの既存施設にもう1フロア入居すると発表しました。施設名は明かされていませんが、昨年香港のBig Data Exchange(BDx)が買収し、BDx SIN1となったパヤレバー通り110番地のTelstraデータセンターと思われます。OVHcloudは以前、2019年初頭にこの施設からクラウド提供を開始しました。
DCDはOVHcloudに連絡し、シンガポールの新しいスペースの場所とオープン日を尋ねています。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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