I SquaredのLightstormがRTI社から太平洋の海底ケーブル資産を取得

米国と日本およびオーストラリアを結ぶ太平洋地域の三つの海底ケーブルの権益を取得

I Squared Capitalが所有するアジアのネットワーク・インフラ企業であるLightstorm社は今週、デラウェア州およびシンガポールの裁判所が任命した管財人と資産売買契約を締結し、RTIが所有していたJGA-Northケーブルと、JGA-SouthおよびSEA-USケーブルシステムの「重要な部分」を取得したことを発表しました。

移行期間中は、管財人が両社の経営を継続する一方、Lightstorm社のDavid Zimmer氏が暫定CEOに任命され、その間の日常業務を支援することになります。

取引は規制当局の承認を経て、今年後半に完了する見通しです。取引条件については明らかにされていません。

買収された三つのケーブルは、総延長21,000km、64Tbpsの容量を有し、米国、グアム、日本、オーストラリアを結んでいます。

日本-グアム-オーストラリア・ノース(JGA-N)は2020年7月に開通し、2,700kmのケーブルでグアムと日本を結んでいます。JGA-Sとして知られるケーブルの南側部分は、同じ年に開通し、グアムとオーストラリアのクイーンズランド州とニューサウスウェールズ州を結んでいます。

北側のケーブルはRTIが単独で保有し、南側のケーブルはAARNetとGoogleを含むコンソーシアムが開発したものです。

2017年頃に開通した東南アジア-米国(SEA-US)ケーブルは、グアムとハワイのホノルルを経由してカリフォルニア州ロサンゼルスを結ぶ11,100kmに及びます。このケーブルのコンソーシアムには、RTIのほか、GTA TeleGuam、Globe Telecom、Hawaiian Telcom、Telinが参加しています。

CommsDayが最初に報じたところによると、RTIとその資産は2023年10月に金融業者によってKroll Singaporeの管理下に置かれたとのことです。この報道では当時、銀行に対する債務が不明の金額でI Squared Capitalに売却されたと伝えていました。

「我々は、これらの高い価値を持つ海底ケーブルを我々のプラットフォームに統合できることに興奮している」とLightstorm GroupのCEO兼MDであるAmajit Guptaは述べています。「この買収は、クラウドネットワーク・インフラストラクチャーのリーディング・プロバイダーとしての当社の地位を強化し、このケーブル・システムのような拡張された海底資産を通じてリンクすることで、当社の地理的プレゼンスとサービス提供を拡大します。私たちは、RTI Cableの素晴らしい業績をさらに発展させることに興奮しており、Russの今後の活躍を祈っています」

RTIは 2021年までさかのぼり、Gateway Network Connections (GNC)と長期にわたる法的紛争を抱えていました。

GNCはJGAケーブルとSEA-USケーブルの両方をホスティングするケーブル陸揚げ局とデータセンターで、Asia Connectivity Elements(ACE)とGTA Teleguamが所有しています。Etix Everywhereは以前このベンチャーに出資しており、RTIも以前は投資家として参加していました。

「 I Squared Capitalの投資先企業は、すでに強力なグローバルネットワークを運営しており、主要な海底ケーブルの獲得により、Lightstorm Groupは将来的に前例のない成長を遂げることになる」と、RTI Cableの創業者で元CEOのRuss Matulich氏は付け加えています。「私たち自身よりも重要なことを達成するために、業界最高の多くの人々とともに働けたことは光栄であり、彼らの将来の業績を祝うことを楽しみにしています」

Lightstormは2020年にインドでSmartNetファイバーネットワークをローンチし、現在7都市、約24,000kmに及び、約60のデータセンターを結んでいます。同社はインドネシアにも進出しており、グレーター・ジャカルタの約40のデータセンターを結ぶ1,000kmのファイバーを展開しています。

I Squared Capitalはその他にも、APACのBDx、ヨーロッパのnLighten、ラテンアメリカのExa Infrastructure、Kio、そしてタワー会社数社にデジタル・インフラ投資を行っています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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