台湾がKuiper衛星インターネット通信についてAmazonと交渉中
台湾政府は今週、Amazonの子会社であるProject Kuiperと、衛星通信の提携について協議していることを明らかにしました。
台湾の吳誠文(Wu Cheng-wen)技術相は今週初め、同国の国営通信会社である中華電信(Chunghwa Telecom: CHT)と昨年提携したフランスの衛星通信事業者EutelsatのOneWebネットワークは、期待を下回っているとメディアに語りました。
政府は、中国が攻撃してきた場合の通信手段を確保するため、インターネットサービス用の中低軌道(LEO)の衛星利用を含め、代替パートナーを検討したいと考えています。
中国は長い間、台湾を自国の領土とみなしてきましたが、台湾はこれを否定しています。
今週、メディアの取材に応じた吳誠文技術相は、政府は他の西側諸国のパートナーと協力する可能性があるとし、AmazonのKuiperが有力候補だと述べました。
さらに、「西側諸国には、ヨーロッパ、北米、カナダを含めて他の企業もありますが、AmazonのKuiperが今のところ開発段階で最も成熟しています。ですから、将来的な提携が可能かどうか、いま彼らと話し合っているところです」と語りました。
台湾政府はまた、イーロン・マスクのStarlinkインターネットサービスは台湾にとって選択肢にはならないと述べています。イーロン・マスクが台湾の政治的地位や中国におけるビジネス上の利益について発言したことが理由だとしています。
マスクは以前、北京が主張するように台湾は中国の不可欠な一部であると述べ、台湾をアメリカの州であるハワイに例えました。中国はマスクの電気自動車事業であるテスラにとって2番目に大きな市場です。
Amazonは間もなくコンステレーション打ち上げを開始し、来年にはLEOからのサービスを開始する予定です。
同社は、 Arianespace、Blue Origin、United Launch Alliance (ULA)という民間宇宙会社から最大83回の打ち上げを確保しており、これらはこのプログラムに重量物輸送能力を提供します。
同社のProject Kuiperコンステレーションの計画は2019年に初めて明らかにされ、Amazonはブロードバンド接続を提供するため、今後数年間で3,000以上の衛星を地球低軌道(LEO)に打ち上げることを目標としています。
Amazonは2026年7月30日までに、計画されている3,236基の衛星コンステレーションの半分を打ち上げなければ、衛星ネットワークを運営するためのFCCライセンスを失う恐れがあります。現在までに、このプロジェクトのために2機のプロトタイプ衛星を打ち上げており、それらは軌道離脱しています。
最初の商業用Kuiper衛星の打ち上げは最近、2024年第4四半期に延期されました。以前は、初号機は今年前半に打ち上げられる予定でした。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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