
Amazonが米国とアイルランドを結ぶ国際海底ケーブルを発表
同社初の単独ケーブルであり、メリーランド州に陸揚げする初の海底ケーブル
Amazonは、米国とアイルランドを結ぶ新たな国際海底ケーブルを開発する予定です。
Amazon Web Services(AWS)は今週、米国メリーランド州とアイルランドのコーク県を結ぶ新たな大西洋横断ケーブルシステム「Fastnet」を発表しました。
2028年の稼働時には、320Tbpsを超える容量を提供します。
Fastnetは、Amazon初の単独の民間海底ケーブルプロジェクトであり、メリーランド州に上陸する初のケーブルとなります。
今年1月、アイルランドの海事機関への申請を通じて、Amazonが両国を結ぶケーブルを計画していることが明らかになりました。申請書によれば、ケーブルはケルト海を横断し、コーク県キャッスルフレーク付近に上陸する予定です。
アイルランドの海底ケーブルの大半は、東海岸のダブリン周辺、あるいは西海岸のメイヨーやゴールウェイ周辺に陸揚げしています。コーク県に陸揚げされる唯一のケーブルは、ExaのExa Expressケーブルで、コーク市のHollyhill工業団地にあるCork Internet eXchange(CloudCIX)に接続されています。
アイルランドの首相であるMicheál Martinは、次のように述べています。「Amazonの新しい大西洋横断海底ケーブルFastnetは、アイルランドのデジタルの未来に対する信頼の表れであり、クラウドコンピューティングとAIの次世代のイノベーションの波を可能にする一助となるでしょう。コーク県と米国メリーランド州を結ぶことで、アイルランドは海底通信ケーブルのヨーロッパへの真のゲートウェイとなるでしょう。この投資により、アイルランドのグローバルな接続性が向上し、重要なデジタルインフラのレジリエンスが強化され、経済競争力が高まります。」
現在、メリーランド州には海底ケーブルは敷設されていません。多くのケーブルは、北はニュージャージー州、南はバージニアビーチに陸揚げされています。Fastnetがメリーランド州のどこに陸揚げするかは明らかにされていませんが、州の東海岸地域に利益をもたらすとされています。
Amazonは、フレデリックにあるTPGのQuantum Frederickデータセンターパークに、メリーランド州を拠点とするアベイラビリティゾーンを建設する予定です。
メリーランド州知事であるWes Mooreは、「メリーランド州初の海底光ファイバーケーブル建設は、ブロードバンド接続以上の成果です。これはイノベーション、雇用創出、ハイテク投資におけるグローバルハブとしての同州の地位を確固たるものにする取り組みです。経済成長のためには、未来の産業を優先する必要があります。このプロジェクトは、地域に深く根ざし、地域社会への関与に確固たるコミットメントを持つリーダーたちとの連携により、まさにそれを実現するものです」と述べました。
Amazonは、Havfrue、Hawaiki、Jupiter、Marea海底ケーブルの共同所有事業者または主要な容量購入事業者です。2020年に運用開始したHavfrue(別名AEC-2)は、米国とアイルランド、ノルウェー、デンマークを結んでいます。アイルランド側の陸揚げ地点は、メイヨー県レカンビーで、Aqua Commsが担当しています。
さらにAmazonは、Vodafoneと共同で「Beaufort」ケーブルの開発にも取り組んでいます。このケーブルは、アイルランドと英国を結ぶもので、アイルランド側はウェックスフォード県のKilmore Quay(旧ESAT 1陸揚げ局)に、英国側はイングランドのBudeとウェールズのPort Eynonに陸揚げする予定です。当初は、2024年にサービス開始予定でした。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

























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