
マイクロソフト、OpenAIのカスタムAIチップの知的財産権にアクセスできると発言
両社の最近の合意の一部
マイクロソフトは、スタートアップ企業OpenAIがブロードコムと共同開発中のカスタムAIチップに関するIP(知的財産権)を保有しているとの報道です。
ブルームバーグが報じたところによると、サティア・ナデラCEOは最近、作家Dwarkesh Patel(ドワーケシュ・パテル)のポッドキャストに出演した際、OpenAIのチップ開発について次のように述べていました。「彼らがシステムレベルで革新を起こすにつれ、我々はそれら全てにアクセスできる。まずは彼らが自社向けに構築したものを実装するが、その後で拡張していく」
これがマイクロソフト自らがチップを使用する(あるいは使用できる)ことを意味するのか、それとも他社に提供する可能性があるのかは不明です。DCDはマイクロソフトに説明を求めています。
ナデラは、マイクロソフトがOpenAIの設計と協業するにあたり「知的財産権を保有していることを認識している」と付け加えました。ただし、マイクロソフトはOpenAIのコンシューマー向けハードウェアに対する所有権は有していません。
これはOpenAIとマイクロソフトが最近締結した合意の一部であり、この合意によりOpenAは営利組織への再編が可能となりました。マイクロソフトはOpenAIの株式27%(1350億ドル相当)を保有し続け、汎用人工知能(AGI)が実現されるまで独占的な知的財産権とAzure APIの独占利用権を維持します。
さらに、マイクロソフトのモデルと製品に対する知的財産権は2032年まで延長され、これはAGI実現後のモデル(データセンターハードウェア・ソフトウェア関連の知的財産を含む)も対象となるが、OpenAIのコンシューマー向けハードウェアは除外されます。
OpenAIがブロードコムとカスタムAIチップ開発を検討しているとの報道は2024年7月に初めて浮上しました。2025年10月には、両社が2029年までに約10GWのチップ展開を目指し、最初のチップを2026年後半に投入していくと発表されました。チップに加え、ブロードコムとOpenAIはイーサネットソリューションについても開発を進めています。
マイクロソフトの契約対象外となるブロードコムの知的財産権の範囲は不明です。
OpenAIは現在、回路・プロセッサ・センサー・メカニカルシステム・AIハードウェア分野の経験を有するシニア法務顧問を募集しています。
マイクロソフトも独自開発チップを保有しており、ケビン・スコット最高技術責任者(CTO)は先月、将来的には自社チップを主に使用したい意向を表明しています。
同社は2023年11月、Azure Cobalt 100とAzure Maia 100チップを発表しました。尚、前者はCPU、後者は「AIアクセラレータ」です。MaiaアクセラレータはTSMCの5nmプロセスで製造され、単一ダイ上に1050億個のトランジスタを搭載。同社はMXInt8で1600テラフロップス、MXFP4で3200テラフロップスの性能を主張しています。
マイクロソフトはMaia 200の計画についても発表しましたが、2025年6月には量産開始を2026年に延期するとの報道がありました。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
















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