
AWS、米政府向けAIおよびHPC能力拡張に500億ドルを投資
Top Secret、Secret、GovCloud各リージョンで合計約1.3GWのキャパシティを追加
Amazon Web Services(AWS)は、米国政府機関向けのAIおよびスーパーコンピューティング能力を拡張するために、500億ドルを投じることを約束しました。
クラウド大手である同社は、2026年に新たなデータセンターを構築することで、AWS Top Secret、AWS Secret、AWS GovCloud(US)リージョン全体で、すべての分類レベル合計で約1.3GWのコンピューティング能力を追加する予定です。
AWSによると、これにより米国政府機関は同社のAIサービスを利用できるようになり、新施設にはAWSのAIチップ「Trainium」やNVIDIAのAIインフラも導入されるとのことです。
AWSは、コンピューティング能力の増強により、政府の研究チームは数十年分のグローバルセキュリティデータを処理し、複雑なパターン分析を生成できるようになるほか、防衛および情報機関は衛星画像、センサーデータ、過去のパターンを「これまでにない規模」で処理し、「脅威を自動的に検知し、対応計画を生成する」ことが可能になると述べています。
AWSのMatt Garman CEOは、次のように述べています。「米国政府機関向けに特化したAIとクラウドインフラへの投資は、米国政府機関がスーパーコンピューティングを活用する方法を根本的に変革します。サイバーセキュリティから創薬に至るまで、重要な使命を加速させる先進的なAI機能を提供することで、これまで米国政府機関の足かせとなっていた技術的障壁を取り除き、AI時代における米国のリーダーシップを一層確固たるものにします。」
AWSは長年、米国政府向けに専用のクラウドリージョンを提供してきました。2011年にAWS GovCloud(US-West)、2014年に機密業務向けの完全分離型クラウド「AWS Top Secret-East」、2017年にAWS Secret Regionを開始し、2018年以降は2つ目のGovCloudリージョン(US-East)、AWS Top Secret-West、AWS Secret-Westを追加しています。最新のAWS Secret-Westは、2025年10月に開始されたばかりです。同社はリージョンの正確な場所は公開していません。
米国以外の国も、AWSを信頼し最も極秘の情報をAWS内に保管しています。英国では2021年に、同国の3つの情報機関が極秘データをAWSでホストしていることが明らかになっています。また、オーストラリア政府とも協力しており、2024年には極秘情報専用のデータセンター構築で13億ドルの契約を獲得し、オーストラリア安全保障情報局(ASIO)やオーストラリア秘密情報部(ASIS)などの職員が、オープンなインターネットを使用せずに共同作業できる環境を構築しています。
2025年8月には、AWSは米国政府に最大10億ドルのクラウド割引を提供することにも合意しています。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
















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