
Amazon Leoが300以上の地上局設置計画を発表
Amazon、Starlinkと並び地上局用地の世界的争奪戦に参入
Amazonは、自社の衛星ネットワークを支えるために地上インフラを大規模に拡張する予定です。
最近開催されたAmazon Web Services(AWS)のre:Inventイベントで、同社は、低軌道(LEO)衛星コンステレーション『Amazon Leo』(旧称Project Kuiper)との接続を維持するため、300以上の地上局を設置する計画を発表しました。
Amazon Leoのネットワークエンジニア、Nick Matthewsによると、これらの地上局には遠隔地に設置される衛星アンテナが含まれ、地上ネットワークやAWSサービスと連携できるようになるとのことです。
これらの地上局は、光ファイバーインターネットに接続する「Point of Presence(POP)」と呼ばれる第2の施設と通信し、そこでNetflixやTwitchといった主要ブランドが既に採用している、クラウドサービスであるAWSサービスと連携します。
2024年、ヨハネスブルグに本拠を置く鉱業グループGold Fieldsは、Amazonの衛星コンステレーションによるLEO衛星サービスを含むツール群を間もなく導入する見込みであることを前提に、AWSサービスの採用意向を表明しました。
「既に複数のLEO衛星ソリューションが存在しますが、Kuiper(LEO)は企業向けグレードのソリューションを市場に投入しようとしており、まさに我々が求めるものです」と、Gold FieldsグループICT担当副社長であるStrini Mudalyは、南アフリカで開催されたAWS Summitで語りました。
Leoは現在、接続サービスを提供する企業顧客向けに限定ベータプログラムを実施中ですが、多くのアプリケーションはまだ開発段階にあります。
「まだ発見されていないユースケースは数多くある」と、AmazonのB2B事業開発責任者Hisham Elshaer博士は、最近のプレゼンテーションで説明しました。「常時・どこでもギガビット速度が可能になったら、何が実現できるのか?それをこれから見つけるのです。」
Leoは商用・コンシューマー向けブロードバンド向けに数百万台のアンテナ製造を準備中です。これらの端末は、ユーザーのニーズに応じて1Gbps、400Mbps、100Mbpsを提供しています。Matthews氏によると、レイテンシは50ミリ秒未満で、Starlinkの30ミリ秒よりは遅いものの、価格面での優位性が期待されています。
現在Amazon Leoは約150基の衛星で構成され、2026年第1四半期の打ち上げを予定しています。一方Starlinkは、9100基以上の衛星で800万人以上の顧客にサービスを提供する巨大システムです。SpaceX自体も米国だけで100以上のゲートウェイを保有し、1500基以上のアンテナで200万人以上の米国内ユーザーにサービスを提供しています。
両社が地上セグメントで垂直統合を急ぐことは、この分野のプレイヤーにとって予想外の展開となり得ます。多くの企業は、厳しい経済状況下で収益性を維持するために、Ground Station as a Service(GSaaS)を活用しようと考えていました。しかし、両方のLEO大手が旗を立てることで、買収や事業の冗長化の脅威が市場で一層鮮明になっています。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
















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