
PJM、今後10年間で最大60GWの電力不足に直面か
前例のないデータセンターの電力需要が要因
米国最大の地域送電機関(RTO)であるPJM Interconnectionは、データセンター需要の拡大により、今後10年間で前例のない電力不足に直面する可能性があります。
Bloombergの報道によると、このRTOは最大60GWに達する電力供給不足に見舞われる恐れがあります。送電事業者は、新たな発電インフラの整備を支援するための大規模な対策が取られなければ、この供給不足は現実のものになると警告しています。
PJMは12月、最新の容量オークションにおいて6.5GWの供給不足が生じたと報告しました。その結果、2027年半ばに始まる1年間のピーク需要と必要な予備電力を満たすだけの発電能力が現時点で既に不足していると警告しています。
こうした懸念を受け、連邦政府内でも動きが加速しており、トランプ大統領はPJMに対し、緊急電力オークションの実施を要請しました。このオークションでは、データセンター事業者が新たな発電インフラ建設の費用を負担することが想定されています。
この取り組みの下で、トランプ政権とPJM Interconnectionの市場に含まれる州の知事らは、信頼性確保のための電力オークションを開始するようRTOに働きかける方針です。これにより、テクノロジー企業やハイパースケーラーが、新規電源に対する15年契約の入札に参加できるようになります。
報道によれば、この計画が実現した場合、新たな発電所建設を促進するため、総額150億ドルを超える契約が成立する可能性があります。
この発表を受け、PJMはデータセンターやその他の大規模な新規電力需要家への対応を目的とした、取締役会承認済みの一連の施策を示す声明を発表しました。
これらの施策には、追加電源の確保に向けた取り組みの即時開始が含まれます。またPJMは、需要予測の高度化、州政府の役割拡大、大口需要家が自家発電を行う、あるいは「ネクト・アンド・マネージ(接続・管理)」方式に参加できる選択肢の検討も進めるとしています。さらに、州支援の発電プロジェクト向けの迅速な系統接続プロセスの確立や、短期的な信頼性リスクに対応するためのバックストップ(予備的)調達の開始も盛り込まれています。
PJMは、5月に連邦規制当局へ詳細な計画を提出し、トランプ大統領が示した特別調達イベントを9月に実施する予定だと述べています。
一方で、供給不足の可能性があるにもかかわらず、大規模な発電設備や系統接続の拡張がサービスエリア内の需要家の電気料金に与える影響について懸念が高まっています。中部大西洋地域および中西部の13州に電力を供給するPJMは、主にデータセンターの成長を背景に夏季ピーク需要が年率3.6%で増加し、2036年までに約222GWに達すると最近発表しました。
昨年7月、RTOによる最新の年次容量オークションで卸電力価格が前年から22%増加しました。これを受けデータセンター産業の拡大により、ネットワーク全体の一般利用者が電気料金の急騰に直面し始める可能性があるとの報道が浮上しました。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
















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