厳しい顧客要件がOracleのグローバル拡張を促進

オラクルのクラウドインフラストラクチャ・プロダクト部門のチーフによると、顧客が既存のデータセンターへのデータ保管を拒否したことで、同社はグローバル展開を余儀なくされているとの事です。

同社は、年末までにデータセンターを開設する拠点数を11から19と2倍近くに増やす予定です。米国国外の拠点数を5から10に倍増し、米国内のサイトについては既に予定している3カ所に加え、更に4カ所を追加します。

”親密さ”が必要

Oracle Cloud Infrastructureの製品管理ディレクターであるAndrew Reichman氏は、ネットワークの遅延の問題とプライバシー法の二つの理由により、海外の各拠点にデータセンターを建設することを強制されている、と言っています。

例えばスイスなどでは、厳しいプライバシー法が制定されており、同国の企業に対しソフトウェアやデータを海外のクラウド上に置くことを推奨していない、とReichman氏はForbesの記事の中で述べています。 スイスのほぼすべての企業はオラクルソフトウェアを利用していますが、顧客のクラウドのカスタマイズ性を高めるために、オラクルはスイス国内にデータセンターを構築する必要がありました。

もう一つ、コンピューティング環境がグローバルのデータセンター上に分散した場合に起きる、アプリケーションの動作が遅くなってしまうネットワーク レイテンシ (=遅延)の問題を改善する必要もありました。Reichman氏は、(このレイテンシの問題により)大規模な顧客がクラウド上で重要なアプリケーションを実行することが実質的にできていない、という点を示唆しています。

オラクルの韓国オフィス

「レイテンシの問題を解決し、企業の最も重要なシステムをクラウド上で問題なく実行できるようにしたい。」 と彼は言っています。 また、オラクルとして、今後、日本、韓国、オーストラリアの顧客により力を入れていきたいとしています。

先に述べたように、オラクルは、2019年末までに19拠点にデータセンターを建設する予定で、当初の11か所から大幅に増やす方向に計画変更しています。

Andrew Reichman, Oracle – Twitter

今月、スイス(チューリッヒ)、オーストラリア(シドニー)、インド(ムンバイ)、ブラジル(サンパウロ)の新設データセンターの構築が完了します。 また既に今年、トロント、東京、ソウルをオープンしました。 サウジアラビアにも建設されます。 米国国内では、8か所に建設が予定されています。 フランクフルトにも予定しています。 Reichman氏は、銀行向けのサービスを走らせるために、よりシステムを高速化する必要があるとも指摘しています。

Data Center Dynamics

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