マイクロソフトにサウジでのデータセンター計画中止を求める人権団体、新たに17団体

現在は18団体がクラウド投資の計画中止を求めている

マイクロソフトがサウジアラビアに新たに投資するクラウドデータセンターの計画を中止するよう、新たに多数の人権団体が要請しています。

今年2月に同国に新たなデータセンターとクラウドリージョンの計画を発表しましたが、2023年4月にHuman Rights Watchが初めて計画中止を求めるなど、人権侵害の危険性を懸念する声が上がっています。

Human Rights Watchの報告によると、さらに17団体がこの活動に参加し、マイクロソフトのデータセンターに保管されているデータにサウジアラビア政府がアクセスすることを懸念していると述べています。

人権擁護団体のサウジアラビア研究員であるJoey Sheaは、「プライバシー権を平気で侵害するサウジアラビア政府の記録は、国境内に保管されるデータに重大な危険をもたらす」と述べています。

追加された団体は次の通りです。「 Access Now、ALQST for Human Rights、Democracy for the Arab World Now、Eko、Euro-Med Human Rights Monitor、FairSquare、Front Line Defenders、Gulf Centre for Human Rights、Hartland Initiative、IFX、Kandoo、MENA Rights Group、Project on Middle East Democracy、 Ranking Digital Rights、 Red Line for Gulf、SMEX、The Yemeni Archive」

サウジアラビアは、人権を守るために技術基盤に潜入し、サイバー監視ソフトを使用してスパイ活動を行った経緯があります。

Human Rights Watchは、マイクロソフトがクラウドを発表した際に連絡を取ったと報じていますが、同社では記録しないことを要請し、そのような問題を抱える国でのデータセンター運用について、基本的に国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」を満たすとするポリシーを挙げています。

サウジアラビアのクラウドに関する規制枠組みによると、クラウド事業者はサウジアラビア当局の要請に応じてコンテンツを削除・ブロックし、同国の法律・法令に違反する可能性のあるコンテンツを報告する必要があるとされています。

同国のデータ保護法では、政府機関が個人データにアクセスする権限も与えられており、2007年のサイバー犯罪防止法では、「公序良俗、宗教的価値、公衆道徳、プライバシーを侵害する資料の作成、準備、送信、保管」が犯罪行為として扱われています。

Access NowのMENA政策・擁護マネージャーであるMarwa Fataftaは、次のように述べています。「マイクロソフトは、人権基準を維持するという公約を、単なる空虚な表現ではなく、人権維持のための適正評価措置と安全策を詳細に示すことで証明すべきです」

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。



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