AWSがMacインスタンスを開始
AWSは、Mac miniで構成されるAmazon Elastic Compute Cloud用のMacインスタンスをリリースしました。
このインスタンスは、XcodeやSwiftなどのAppleツール、およびCore MLやMetalなどのフレームワークを使い、Appleデバイス用のアプリを構築する開発者を対象としています。 Macホスティングの大手プロバイダーであるMacStadiumは、この巨大な競合企業の参入を歓迎し、これは彼らのコンセプトを正当化すると共に、AWSからの「ラブレター」に相当すると主張しています。
しかし、Appleにはまだいくつかの制限がある
「顧客は、Appleビルド環境をAWSサービスと統合したいと言っている」とAWSのEC2部門VPであるDavid Brown氏は述べています。 「EC2 Macインスタンスにより、開発者はAWSで史上初となるオンデマンドのmacOSコンピューティング環境の展開やアクセスができるようになり、基盤インフラの調達や管理をする事なく、業界をリードするAppleプラットフォーム向けの革新的なアプリの開発に集中できるようになる 」
このインスタンスには、最新のArm系システムではなく、AppleのIntel搭載Mac miniが採用されます。それぞれのMac miniには、Intelの第8世代Corei7プロセッサと32GBメモリが搭載され、macOS MojaveまたはCatalinaのいずれかが実行され、Big Surについては現在対応準備が進められています。
システムは、米国東部(バージニア州北部)、米国東部(オハイオ州)、米国西部(オレゴン州)、ヨーロッパ(アイルランド)、およびアジア太平洋(シンガポール)のAWSのクラウドリージョンで本日から利用可能となります。
AWSは、これをより多くのクラウドリージョンに拡大するとともに、来年、ArmベースのM1搭載Macのサポートについても計画しています。
「2800万人以上の開発者を擁するAppleコミュニティは、世界中のユーザを喜ばせる革新的なアプリケーション体験を生み出し続けている」とAppleのワールドワイド製品マーケティング部門のVPであるBob Borchersは述べています。
「EC2 Macインスタンスのリリースにより、Appleプラットフォームの開発に新たな方法でアクセスできるようになり、またワールドクラスのパフォーマンスと信頼性を持つ私たちのハードウェアと、AWSの持つスケーラビリティを組み合わせることに興奮している」
11月、AppleはmacOSソフトウェアライセンスを更新し、企業がMacシステムを購入して「許可された開発者サービスのために」リースできるようにしました。しかし、従来のAppleのやり方には、重大な制限事項がありました。リース期間は「最低24時間連続」である必要があり、ハードウェアは一度に1つの会社にしかリースできないという事実がありました。
MacStadiumはこのライセンスの更新を歓迎し、VPのBrian Stucki氏はこれを以前はグレーな環境で運営していた同社へ向けた「ラブレター」と呼んでいました。これまで、MacStadiumはMacのホスティングとクラウドサービスを提供する最大のプロバイダーでしたが、これは常にAppleによって遮断されられる可能性がありました。
昨年我々が同社をレポートした時点では、データセンターは5か所で運営され、Macをカスタマイズされたラックに組み込みサービスを提供していましたが、ハードウェア上でのサービス提供をますます推進していました。
「私たちの顧客は、ラックにMacを入れるだけでなく、クラウドにMacを入れたいと願っている」と最高収益責任者のShawn Lankton氏はその当時語っていました。
そして今、世界最大のクラウド事業者であるAWSがこれら顧客のために市場に参入しました。ライセンスの更新という「ラブレター」は明らかに同社をターゲットとした動きであると思われます。 「明らかに、Amazonは海に飛び込む巨大な魚だ」とStucki氏(MacStadium)はTwitter上でこうつぶやいています。
「他の部分では、Mac miniがこのレベルに達したのを見て非常に誇りに思う…新しいクルーズ客船が港に停泊し、「その上げ潮があらゆる船舶をも上昇させてくれる」ことを願っている」
Data Center Dynamics
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