Gulf EdgeとGoogle CloudがタイでSovereign cloudを開発

AI機能を持つ Sovereign cloud

Google CloudはGulf Edgeと提携し、タイでSovereign cloudを開発する予定です。

このSovereign cloudにより顧客は、タイにおけるデータ主権、セキュリティ、プライバシー要件を満たすことができ、また、Googleの人工知能(AI)と、アナリティクス機能へのアクセスも可能になります。

Gulf Energy Development Public Company Limitedの子会社であるGulf Edgeは、Managed GDC Providerとして、Google Distributed Cloud (GDC)を運用します。

Gulf Edgeは、GDCの導入オプションとして、エアギャップのオンプレミス・ソリューションまたは、Gulf groupのデータセンター内からのソリューションを提供する予定です。また、顧客のワークロード要件に応じて、CPUやGPUなどの柔軟なハードウェアオプションも用意しています。

Gulf Energy Development Public Company LimitedのCEO、Sarath Ratanavadiは、次のように述べています。 「AIとアナリティクスを組み込んだ、タイ初のSovereign cloudソリューションにおけるGoogle Cloudとのパートナーシップは、技術的リーダーシップと、持続可能な開発に対する当社のコミットメントを強化するものです。私たちは、強力なAI機能を提供しながら、運用を公共のインターネットから分離するユニークな能力に基づいて、GDCを選択しました。これにより、当社のミッションクリティカルなエネルギー・ユーティリティ・システムは、セキュリティと回復力を強化しながら、データ集約的なタスクを処理できるようになります。タイでGDCを成功裏に提供することは、戦略上不可欠であり、規制産業への採用はわが国の、デジタル競争力を高めるだけでなく、わが社にとって新たな収益機会を創出することになるからです。」

2023年後半、Googleはタイ政府と「4本柱協定」を結び、同国内のデジタルインフラへの投資や、公共部門でのAI導入を加速させる取り組みを、行うことになりました。

この合意には、国内にGoogleのデータセンターを、設立する計画も含まれています。Googleは以前2022年に、タイにクラウドリージョンを設ける計画を発表しており、バンコクに設置される予定です。

Google Cloudのアジア太平洋地域担当副社長であるKaran Bajwaは、次のように述べています。「タイ王室政府へのコミットメントの一環として、同国に弾力性がありイノベーション主導型のデジタルインフラを提供するため、タイにおける最初のMGPとしてGulf Edgeを迎え入れ、現地組織向けにGDCをエアキャップで提供できることを、大変喜ばしく思います。この次世代のAI対応Sovereign cloudソリューションにより、公共部門やその他の規制産業は、厳しいデジタル主権要件に直面しても、独自の条件でデジタルトランスフォーメーションを、加速させることができるようになります。」

2021年10月に発表された、GoogleのDistributed Cloud Hostedソリューションは、データレジデンシー、セキュリティ、プライバシーの要件が厳しい公共機関や、民間企業にオンプレミスのオプションを提供します。

Cloud Hostedは、インフラ、サービス、API、ツールを管理するために、Google Cloudへの接続を必要とせず、運用にはAnthosが提供するローカルコントロールプレーンを使用します。Googleは、同様の取り組みでドイツのT-Systems、フランスのThales、ベルギーとルクセンブルクのProximusとLuxConnectと提携しています。

一部報道によるとGoogleは、信頼できるパートナーのクラウド構想を「最も重要なプログラム」とみなしており、データ主権に準拠したクラウドによってヨーロッパと、アジアで1000億ドル規模の市場を、開拓できると考えているようです。

Amazon、マイクロソフト、Oracleも同様の、Sovereign cloudを発表しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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