Google Cloud、DIUと小規模の国防総省契約を締結
JEDI失注後、AIは殺戮には使われないとし
Google Cloudは、国防総省のDefense Innovation Unit(DIU)と契約を締結し、サイバー攻撃からの保護と対処を行っていきます。
この「7桁」の契約は、Axiosが最初に報じたもので、その記事の中で、Google Cloudの公共部門VPのMike Daniels氏は、「マルチクラウドは未来のものだ。それが今、連邦政府にも導入される。」と語っています。
砕けた関係修復への試み
このクラウド契約により、DIUは、システムへのアクセス制御が単にアクセス場所により定義されるのではなく、身元や挙動によって定義される ゼロトラスト 環境へと移行します。
マルチクラウドソリューションはGoogle Anthos上に構築されます。これで、DIUはGoogle Cloud、Amazon Web Services、Microsoft AzureのWebサービスやアプリケーションを横断的に実行可能ですが、すべてはGoogle Cloud Consoleで一元管理される形になります。
この契約による小さな勝利は、Googleと米軍の間での騒然とした歴史の後にもたらされます。前CEOのEric Schmidt氏が、国防総省の技術進歩について助言する役員会の議長を務めているにもかかわらず、Googleの従業員は、軍産複合体の一部になることをあまり歓迎していませんでした。
Googleが、ドローンの映像を分析するAIシステム「Project Maven」に密かに取り組んでいるとGizmodoが報じた後、同社の社員は猛烈に抗議しました。同社のシニアAI研究者の何人かが辞め、何千人もの社員が社内請願書に署名し、反戦ステッカーがGoogleキャンパスの至る所まで貼られました。そして契約は、静かに棚上げされることになりました。
そして、JEDIです。10年間で100億ドルもの価値を持つこの契約は、論争の的となっています。また、世界で最も価値のある企業、世界最大の軍隊、そしてアメリカ大統領が互いに対立している、長く今も続いているsaga(サーガ)です。現在、この契約はMicrosoftと締結されてますが、Amazonはその決定を覆そうと苦しく積極的な戦いを繰り広げています。
Googleもまた、その巨額契約を競っていました。 しかし、再び激しい内部からの反対に直面しました。要求されるすべての認証を取得していなかったことを認めながらも、契約は、新たに規定された同社のAI原則に反するとの主張もあり、最終的に入札から撤退しました。また、同社はJEDIの単一企業受注の性質を批判していましたが、この最新の契約に関する報道資料では、マルチクラウド契約の価値について繰り返し言及されています。
この最新の契約ニュースは、Googleが軍事契約からの完全な撤退をしていないことを示していますが、Googleがどのように将来の国防総省案件に参入しようと計画しているかは明らかではありません。
尚、今回の受注は、Googleが国防総省のDefense Innovation Board(国防革新委員会:Schmidt氏が議長を務める)からJosh Marcuse氏を引き抜いた僅か数週間後のことです。
Data Center Dynamics
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