IBMがマドリードでスペインクラウドリージョンを開設

同社は3カ所の施設でサービスを提供

IBMはマドリードに新しいクラウドリージョンを開設しました。また、アイスランドのBorealis Data Centerとも提携しています。

今週Big Blueは、アルコベンダス、ラスロサス、マドリード市内に位置する3つのデータセンターで構成される新しいマドリードのマルチゾーン・クラウドリージョンを発表しました。

スペインに新設されるマルチゾーン(MZR)は、欧州で600社以上の顧客を受け入れる予定で、その中にはCaixaBankやRural Servicios Informáticos(RSI)など、規制の厳しい業界に携わるスペインの企業も含まれています。

2021年9月にIBM は初めてマドリードリージョンの計画を発表し、最初の顧客として CaixaBank迎えました。

IBM スペイン、ポルトガル、ギリシャ、イスラエル担当社長のHoracio Morellは次のように述べました。「AIハイブリッドクラウドの時代には、企業は最高のセキュリティ基準を備えた上で、変化する規制の枠組みにも適応し、摩擦のないイノベーションの傘下で顧客の要望に対応するソリューションや サービスが創出できることが必要です。マルチゾーンのクラウドリージョン開設によって、当社はスペインと欧州の企業に先進的なハイブリッドクラウ ド機能を提供しお客様のデジタルトランスフォーメーションを促進します」

マドリードのIBMマルチゾーン・クラウドリージョンは、パリとフランクフルトに次ぐ、ヨーロッパにおけるIBMの3番目のクラウドリージョンです。マドリードリージョンにある3つのデータセンターは、それぞれが個々のアベイラビリティゾーン(AZ) に対応しています。IBMによると合計で9つのリージョンと合計26カ所のアベイラビリティゾーンで46カ所のデータセンターを運用しています。

Google 、Oracle 、AWSは、いずれも2022年にスペインでクラウドリージョンを立ち上げており、前者の2社はマドリードで、後者はアラゴンで立ち上げています。2023年になって、Oracleはソブリンクラウドプログラムの下で、マドリードに第2のクラウドリージョンを立ち上げました。Microsoftは2020年時点で、Telefónicaとの提携によるスペインのAzureリージョンをマドリードに開設する計画を発表していますが、運用開始時期については明らかにしていません。

IBMがアイスランドのBorealisと提携

今週アイスランドでは、Borealis Data CenterがIBM Denmarkと共同で企業向けにクラウドサービスを提供すると発表を行い、Borealisはアイスランドでのデータ保存・処理にクラウドデータセンターソリューションを選択できるようになりました。

100%再生可能な資源からエネルギーを生成するという点において、アイスランドは注目に値する場所です。Borealis Data Center のCEOであるBjörn Brynjúlfssonは、次のように述べています。「当社は、常に冷涼な気候に恵まれた環境を活かし、独自の持続可能なデータセンターを建設しました」

「IBMデンマークとの新たなクラウド提携によって、当社は事業をさらに拡大することが可能になり、当社のクリーンかつ手頃なエネルギーに基づいた持続可能なクラウドサービスを選択する国内および海外の顧客からの高い関心を期待しています」

2014年に設立されたBorealisは、2018年にEtix Everywhereに買収さ れました。その後、フランスの投資ファンドVauban Infrastructure Partnersが2021年7月にBorealis Data Centerの株式の大半を取得しました。現在はアイスランド全土で地熱と水力発電を組み合わせたエネルギーに依存する3カ所のデータセンターを運営しており、1カ月以内にはIBMとのクラウドサービス提供に向けた準備ができる予定であると発表しています。

IBM Denmarkの統括責任者であるThomas Kovestadは次のように述べています。「当社のお客様は、IBMと同様に環境に配慮した責任ある企業であることに気を配っており、持続可能な未来に向かうためには、オープンで集合的な取り組みが必要であることは理解しています。これは、お客様がハイブリッドクラウドで実行する作業負荷の二酸化炭素排出量を測定して視覚化し、最適化することで、持続可能性を促進するための十分な情報に基づいた意思決定を可能にするものです」

IBMのクラウドパートナーであるAnycloudのCEOであるGregor Frimodt-Møllerは、次のように付け加えました。「当社はすでに、顧客とパートナーに持続可能なクラウドソリューションと製品を提供することに重点を置いています。持続可能なクラウドの選択に対する需要は、より多くの企業にとって、変化をもたらすことができる分野であることを理解するに従って高まっていくと考えています」

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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