マイクロソフト、チェコ・プラハでのデータセンター計画を断念
地元の官僚主義に堪忍袋の緒が切れたと報じられる
マイクロソフトがチェコ共和国のプラハにデータセンターを建設する計画を断念したと報じられています。
E15 の報道によると、マイクロソフトは 複雑な官僚主義と決定が下されるまでの長い待ち時間 を理由に、首都プラハでのデータセンター建設計画を中止するとのことです。
ある匿名の情報筋によると、「小さな希望はまだ残っていいるが、それはむしろマイクロソフトの国内支社のマネージャーの希望的観測」であるということです。
マイクロソフトは昨年、チェコの首都で開発用地を取得しました。同社はプラハのクリチョフ地区にある合計7ヘクタールの区画を、大富豪Radovan Vítek氏のCPIグループから15億クローナ(6450万ドル)で購入しました。
「土地の取得に関して、現在のところこれ以上の情報はない。マイクロソフトのクラウドサービスを通じてチェコ共和国のデジタルトランスフォーメーションを強化するという当社の継続的な決意を表明する」と同社は当時述べていました。
取得した土地は、以前はオフィス、小売店、倉庫、ホテルの建設が予定されていました。マイクロソフトはこの土地に55億クローナ(2億3650万ドル)を投資する予定であると報じられていましたが、キャンパスの仕様は明らかにされていませんでした。
その後、マイクロソフトは、空間計画をめぐる曖昧さ、長い建設手続き、エネルギー事情により、我慢の限界に達したと E15は伝えています。
「データセンターの建設と運営に関する法的要件は、世界のどの国とも比較にならないほど厳しい」と別の関係者は語っています。
「現時点で新たな情報はない」とマイクロソフトは同メディアに対しコメントしています。
「首都プラハの責任である空間計画をめぐる曖昧さのために、プラハでの土地開発への関心を失った大口投資家は、今回が初めてではありません」と、プラハ9区領土開発担当議員のJiří Janák氏は述べています。「この不確実性は、投資家が徐々にプラハやチェコ共和国を離れ、予測可能な都市開発政策を持つ近隣諸国に投資を移しているという事実にも反映されています」
チェコ商工会議所のZdeněk Zajíček会頭は、「私たちが投資家を大切に思っているという明確なシグナルを送らなければ、投資家は他の国に行ってしまうでしょう。例えば、ポーランドやルーマニアなどに」 と語っています。
なお、マイクロソフトは2023年4月にポーランドのAzureクラウド リージョンを立ち上げています。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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