オラクルがAIデータセンターの建設に先立ち、180億ドルの負債

オラクルは大赤字へ

オラクルは、AIクラウド顧客向けの大規模なデータセンター構築に向け、180億ドル(約2.7兆円)の債務ファイナンスを実施しました。

水曜日に米証券取引委員会(SEC)に提出された書類によると、Larry Ellison率いる同社は、複数の社債を発行し、総額180億ドルを調達したとされています。

調達した資金は、設備投資(CAPEX)などのさまざまなプロジェクトに使用される予定で、最初の債券は2030年に満期を迎え、最長では2065年までの長期債も含まれています。

近年、特にOpenAIとの関係を通して、オラクルはAI革命の中心的存在となっていますが、AI向けクラウドサービスを提供するには、データセンター、電力、ITハードウェアなどの確保に多額の資金が必要です。

オラクルはOpenAIと提携し、「Stargate」と呼ばれるデータセンタープロジェクトを進めており、米国内の複数の施設でChatGPTの運用を支えるインフラを提供する計画です。

先週火曜日、両社はテキサス州アビリーンのStargateフラグシップ施設に加え、新たに3つのデータセンターを建設することが発表しました。これらを合わせると、総容量は5.5GWに達する可能性があります。

今月初めには、OpenAIがオラクルと5年間で3000億ドル(約45兆円)のクラウドサービス契約を結んだと報じられました。一方、毎年数十億ドルの赤字を出しているOpenAIが、この契約を履行できるかについて懐疑的な見方もあります。

オラクルはOpenAIだけでなく、マイクロソフト、Meta、NVIDIA、AMDなどのAI企業にもインフラを提供しており、Googleやマイクロソフトが所有するデータセンターにも自社ハードウェアを設置しています。前CEOのSafra Catzは、直近の決算発表において、2025年第1四半期はAI分野の有力企業との間で、数十億ドル規模のクラウド契約を3件締結したと話していました。

現在、オラクルの帳簿には4,550億ドル(約68兆円)相当の未履行契約(契約済みだが未支払いの義務)が記録されており、このニュースが明らかになった際には株価が急騰し、創業者のLarry Ellisonが一時的に世界一の富豪となったほどでした。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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