Uber、カスタムチップでAmpere Computingと提携

UberがOracle Cloud Infrastructure(OCI) 上でAmpere Computingのカスタムチップを採用することになりました。

これはOracle CloudWorld 2024で発表されたもので、UberはAmpereとオラクルとの提携により、OCI上でのワークロードの処理方法をよりコントロールできるようになります。

また、この提携により、UberはAmpere社と共同でチップを設計することが可能になります。

Uberの技術戦略担当シニアディレクターであるKamran Zargahi氏は、次のように述べています。「我々は、クラウドをツールとして使用し、ただそこに安住することはしませんでした。私たちは、リージョンやゾーンのシェイプ、価格パフォーマンス、さらにはビットとバイトのすべての仕様を理解できるようになりたかったのです」

Zargahi氏によると、Uberの配達員・配送業者は毎日3,000万件以上の配送をこなしており、コンピューティング・インフラはルートの最適化などに利用されているといいます。「毎秒、1500万個のAIモデルが実行されている」とZargahi氏は述べています。

Ampereのチーフ・プロダクト・オフィサーであるJeff Wittich氏によると、UberがOCIのAmpereに移行したことで、同社のインフラコストと消費電力が30%削減されたと述べています。

また同氏は、AmpereとUberはチップ設計で互いに連携していると付け加えています。「将来を見据えて、CPUのマイクロアーキテクチャをさらにチューニングするために、将来的にどのような最適化を行うことができるのか、そのレベルまで、共通チームが緊密に取り組んでおり、将来世代のすべてのCPUがUberにも驚くほど適したものになるように取り組んでいます」

オラクルのリリースによると、Uberは2023年にクラウドプロバイダーを選定し、数千のマイクロサービス、多数のデータストレージプラットフォーム、数十のAIモデルをOCIに移行させてきました。

UberはTrip-servingリクエストにOCI Compute with AMDを使用しており、「ステートレスワークロードのかなりの部分 」をOCI Computer with Ampere Armに移行しています。

Oracle Cloud Infrastructure担当シニア・バイス・プレジデントのKaran Batta氏は次のように述べています。「Uberは、顧客に価値あるサービスを提供するためにマルチクラウド・パートナーシップを採用している先進的な組織の代表例です。「弊社は、急成長を続けるUberとのクラウドパートナーシップを進化させていきたいと考えています」

Renée James CEOと元Intelの同僚らによって2017年に設立されたAmpereは、近年データセンター事業者らの間で人気が高まっているArmアーキテクチャをベースとしたサーバー専用チップの設計を行っています。Ampereは2021年からオラクルにチップを提供しており、現在オラクルのサービスの95%が同社の基盤を利用していると主張しています。なお、今月初め、Ampereが売却を検討しているとの報道が流れました。

Uberはこれまで、ITの95%以上を自前のデータセンターに置いていたことが知られています。同社は2023年2月にGoogleおよびオラクルと7年間にわたる大規模なクラウド契約を締結し、そのほぼ 「すべて 」をクラウドに移行する取り組みを行っています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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