AWS、シカゴ、ヒューストン、フェニックスのVerizon 5Gネットワーク上でWavelength Zonesを展開
AWSはベライゾンとの提携による「Wavelength Zones」をシカゴ、ヒューストン、フェニックスに拡大しました。
Wavelengthは、通信サービス事業者の5GネットワークのエッジにAWSのコンピュートおよびストレージサービスを組み込み、近隣のAWSリージョンで稼働するクラウドサービスへのアクセスを提供します。Wavelengthは、アプリケーションのトラフィックが通信事業者のネットワークを離れることなくサーバーに到達できるため、5GデバイスからAWS上でホストされているアプリケーションへの接続に必要なレイテンシー(遅延)とネットワークホップ数を最小限に抑えることができると同社は説明しています。
米国内では、Wavelengthインフラはベライゾンの5Gネットワーク上に導入され、アプリケーションは上記の各都市にあるベライゾンのデータセンター内でホストされています。
「あらゆる業界の企業が、スループットや低レイテンシーから強力な信頼性に至るまでの5Gのフル機能を活用して、5Gと5G Edgeを実現するエキサイティングな方法を探している」ベライゾン・ビジネスのチーフ・レベニュー・オフィサーであるSampath Sowmyanarayan氏はこのように述べています。「エッジクラウドコンピューティングで5Gのフルパワーを解放することで、開発者らは迅速にイノベーションを起こし、5Gを活用したアプリやサービスを構築してパフォーマンスを向上させ、新たな収益源を生み出すことができるようになる」
「AWS Wavelengthが、AWSサービスをあらゆる地域の5Gネットワークエッジに提供する事で、MorehouseやAethoのような顧客は超低レイテンシーアプリケーションを構築し、消費者体験を変革する事ができる」と、AWS Wavelengthのジェネラルマネージャー兼AWSのプロダクトマネジメント・ディレクターであるジョージ・エリサイオス氏は述べています。「AWSは、ベライゾンとの協力関係を継続することで、米国内のより多くの開発者らが、強力なクラウドベースのアプリケーションを極めて低いレイテンシーと高いパフォーマンスでエッジに提供できるようになると期待している」
AWSは2019年12月にベライゾンとの提携を発表し、シカゴでパイロットプロジェクトを開始しました。Wavelength Zonesは現在、Verizonを通じて、アトランタ、ボストン、ダラス、デンバー、ラスベガス、マイアミ、ニューヨーク、サンフランシスコ、シアトル、ワシントンDCの米国13都市で提供されています。
6月には、AWSはボーダフォンと提携し、英国のロンドンで同様のサービスを開始しました。また、日本の東京と大阪ではKDDIが、韓国の大田(テジョン)ではSK Telecomがサービスを提供しています。
AWSは、5Gエッジ拠点に加えて、「Local Zones」と呼ばれる拠点を米国内に多数開設しており、その多くはWavelength拠点と同じ都市にあります。Local Zonesは、エンドユーザーやオンプレミス施設に対し1桁ミリ秒のレイテンシーを要求するアプリケーションをホストするためのエッジロケーションとして機能します。同社はレイテンシーに敏感なアプリケーションのために、通常は既存データセンターフットプリントを持たない人口集中地区の近くで、厳選されたサービス(コンピュート、ストレージ、データベースなど)を提供しています。
2019年に初めて発表されたLocal Zonesは、現在、デンバー、ボストン、ダラス、ヒューストン、ロサンゼルス、マイアミ、フィラデルフィアで一般提供されています。同社は今年、5か所のゾーンを立ち上げ、2021年にはさらに9か所のゾーンを立ち上げる予定です。同社は、Local Zonesインフラがどのような施設に設置されているかについては明らかにしていません。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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