リトアニアのTelecentrasが、ヴィリニュスに2つのデータセンターを開設
国営ラジオ・放送インフラ会社、政府移行プロジェクトの一環として施設を開設
リトアニアのTelecentrasが、ヴィリニュスに2つのデータセンターを開設しました。
国営の放送インフラ所有・運営会社である同社は最近、ヴィリニュスTVタワーの近くで開所式を行いました。
両データセンター(VD3とVD4)は、首都ヴィリニュスから20キロ離れた場所に位置しており、合わせて288ラックになります。同社は、これらのプロジェクトに2,000万ユーロ(2,150万ドル)以上を投資したとのことです。
Marius Skuodis通信大臣は、落成式に出席し、次のように述べました。「これら2つの新しいデータセンターは、シームレスで、アクセスしやすく、効率的です。そして最も重要なこととして、国家の情報資源を安全に保管することを保証します。現在の地政学的状況を考慮すると、これは我々にとって非常に重要なことです。さらに、エネルギー効率が高いため、この新しい集中型インフラは州の資源を節約するのに役立ちます。」
同社によると、2つの施設は、電力の大部分をTelecentrasが所有する合計8MWの太陽光発電所から供給するようです。
2つのデータセンターのうち1つの廃熱は、ヴィリニュスの集合住宅に住む住民の給湯に利用される予定です。この実験的プロジェクトはリトアニアで初めてで、Vilniaus šilumos tinklaiと共同で実施されます。
Telecentrasのマネージャー、Remigijus Šerisは「新しいデータセンターは、エネルギー効率が既存の国家サーバーの平均レベルより4倍以上高いです。その効率の高さにより、3000万kWh以上の電力が節約され、CO2排出量は年間約15トン削減されます。」と付け加えました。
建設会社のViconasが、このプロジェクトに参加しました。
また、Viconusの責任者であるRenatasViršilasは、次のようにコメントしました。 「このプロジェクトの実施中、私たちも成長しました。技術やデータ保存ソリューション、特別なセキュリティ要件に取り組み、新しい経験をしました。私たちのチームがこの仕事に完璧に対処できたことを嬉しく思います。私たちが克服した主な課題は、納期とプロジェクトの各部分の互換性です。」
1926年に設立されたTelecentrasは、リトアニア共和国通信省を通じて国が所有し、同社はラジオや放送の送信インフラ、データセンターを有しています。
テレビ塔の隣に位置する1,800平方メートル(19,375平方フィート)のVD3は、600平方メートル(6,460平方フィート)の技術スペースに128ラックを提供し、192ラックまで拡張可能です。最大出力密度は10kWです。
2020年に初めて発表された同社は、政府の大規模な移行プロジェクトの一環として、ヴィリニュスに2か所、カウナスに2か所の州のデータセンターを整備するプロジェクトに取り組んでいます。この4か所には合計400のラックが設置され、700の国家機関のITハードウェアが移行される予定です。
VD3(テレビ塔の近くの施設)と、もう1つのヴィリニュスの施設であるVD4は、2023年に起工されました。
TelecentrasのDC4は、国家データセンターのリストに追加されました。つまり、国家機関の設備を受け入れることが許可されています。この1.5MWの施設は、270平方メートル(2,905平方フィート)の技術スペースに96ラックの容量を提供します。
カウナスにある100ラックのVDC5の工事は来年開始される予定で、Sitkūnai(カウナス地区)にある96ラックのVDC6は2025年に開始される予定です。
1980年に完成したヴィリニュスTVタワー(Vilniaus televizijos bokštas)は、ヴィリニュスのKaroliniškės小地区にある高さ326.5m(1,071フィート)のタワーで、リトアニアで最も高い建造物です。
2012年には、テレビ塔の地下にデータセンターが設置されました。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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