Uptime Institute:データセンターは効率性のために信頼性を犠牲にしている
PUE平均値は低いが、停電の発生率が上昇
データセンター業界は、ハイブリッドITの複雑さに取り組んでいます。Uptime Instituteの第8回年次データセンター調査によると、いまだかつてないレベルの信頼性の維持に苦しんでいます。
この調査によれば、業界全体での PUE 平均値は1.58という過去最低の値を叩き出しましたが、同時に、昨年の調査と比べて停電発生率も25%増加し、停電の深刻さも増したと言います。
「クラウドやハイブリッドITアプローチの導入が急速に成長したことにより、テクノロジー、組織および管理の複雑さを生み出し大きな変化が起こりました」とUptime Instituteの研究部門エグゼブティブディレクター、A・ローレンス氏は述べました。「この新しい課題は、業界にこれまでに見られた事態とは異なり、何度も起こっています。最悪の事態です」
最悪の事態
Uptime Instituteによる最新の調査は、これまでで最も広範囲なものでした。世界50ヶ国、900社以上のデータセンター事業者およびIT関連事業者からの回答をまとめています。
その調査によると、平均的なデータセンターではエネルギーをより有効に利用しているにも関わらず、停電にも悩ませられることが多く、しかも昨年よりも停電による被害を受けているそうです。
つまり、ハイブリッドITが潜在的な原因だと示唆しています。Uptime Instituteによれば、オンプレミス・インフラ、コロケーションそしてパブリック・クラウドを組み合わせたハイブリッドアーキテクチャの管理に四苦八苦してると多くの組織から報告をしています。自社が選択したアプローチの真のコストとリスク/パフォーマンスのトレードオフについて理解していると自信を見せたのは、わずか半数に留まっています。
回答者の約3分の2(61%)は、ハイブリッドITを採用することで、概して、ITの弾力性が良くなったと言っていますが、証拠に裏打ちされたものではありません。回答者の31%は昨年、ダウンタイム事故もしくは深刻なサービス低下を経験し、これは昨年の報告よりも25%上昇しています。
回答者の80%以上は、それらの停電は予防可能なものだったと言っています。―――ダウンタイムの主な要因は、相変わらず、人的ミス、停電、ネットワーク障害そして設定エラーだったそうです。
「今日、データセンター事業者は増大する複雑性、システムとデータセンターの相互依存性の高さと言った新たな課題に取り組んでいます」とローレンス氏は語ります。「将来的には、多くの企業が最新のハイブリッドおよび エッジコンピューティング のキャパシティを整備しようとするでしょう。それ自体は新しいサービスをサポートしますが、同時に複雑性も増すことになるでしょう」
– Data Center Dynamics
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