エクイニクスとDigital Realty、欧州電力危機の中、データセンターのディーゼル燃料備蓄量増

欧州大陸の厳しい冬に備えて

ヨーロッパで冬の電力危機が迫る中、データセンター各社はディーゼル発電機の燃料供給を増強しています。

エクイニクスとDigital Realtyは、ロシアのウクライナ侵攻とそれに続く欧州のエネルギー危機に対応するため、予備電力を備蓄していることをFinancial Timesの取材で確認しました。

エクイニクスの欧州・中東・アフリカ事業担当SVPであるGary Aitkenhead氏は、「ウクライナ戦争が勃発して以来、我々は不測の事態に備えた計画を立ててきた」と述べています。

「数時間、最悪の場合でも1日以上ディーゼルで稼働することはないと考えていますが、最大で1週間は稼働できるように準備しています。」

同社は通常、タンクの容量を60%にしていますが、現在は多くの拠点で90%まで上げています。

Digital Realtyによると、同社施設の多くが国家的重要施設に分類されているため、ディーゼルをさらに購入し、ヨーロッパの燃料供給会社とより優先的な配送契約を結んでいるとのことです。

エクイニクスはヨーロッパ の 29 都市に 89 のデータセンターがあり、Digital Realtyは欧州 13 カ国に 110 を超えるデータセンターを有しています。

他の分野でも、送電網の問題を懸念してディーゼルの備蓄を増やしています。英国最大の機器レンタルグループの1つも、冬に向けて需要が高まることを見越して、ディーゼル発電機を余分に備蓄しています。

英国の通信会社BTはFinancial Timesに対し、現在冬に向けてより多くのバックアップ電源を求めてはいないが、重要でないハードウェアのうちどれをオフにできるかを見極めている、と語っています。

ロシアのウクライナ侵攻により、欧州のエネルギー価格は高騰しています。オランダのTTF市場で計測した8月中旬の天然ガス価格は、前年同期比610%増となっています。

エネルギーの専門家は、ロシアが大陸からのガス供給を完全に断つ準備をしており、ヨーロッパの消費量の約40%に影響を及ぼすと懸念しています。

このような動きにより、発電所が稼働し続けることが困難になりヨーロッパ全土で広範な停電を引き起こす可能性があります。



この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。



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