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トヨタとNREL、1MWのバックアップ燃料電池を構築へ

トヨタ自動車と米国エネルギー省(DOE)は、最終的に従来の発電機のドロップイン代替となりうる1MWの燃料電池発電システムのプロトタイプの開発に取り組んでいます。

コロラド州アーバダにあるDOEの国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory:NREL)は、Toyota Motor North Americaと協力し、NRELのFlatironsキャンパスに1MWのプロトン交換膜(PEM)燃料電池発電システムを設置し、評価を行っています。

今回の発表は、マイクロソフトがPlug Power社と共同で、燃料電池を用いた3MWのバックアップシステムのプロトタイプのデモンストレーションに最近成功したことを受けて行われました。

データセンターでは、化石燃料で稼働するディーゼル発電機に代わる方法を模索しており、水素燃料電池は有力な候補となっています。ただし、エネルギー源(H2)と燃料電池モジュールは、現在のところ従来のディーゼル発電機よりもはるかに高額です。

この3年間にわたる650万ドルを投じた共同研究は、DOEのHydrogen and Fuel Cell Technologies Office(水素・燃料電池技術室)が、複数の分野にまたがるクリーンな水素の市場を確立するための取り組みの一環として資金提供しているものです。

NRELで建設される1MWの燃料電池システムは、複数のトヨタ製燃料電池モジュールを大型システムに統合し、「応答性の高い定置電力」、すなわち迅速に供給できるバックアップ電力を提供します。

NRELは、HPEとダイムラーが参加した以前の研究プロジェクトにも資金を提供しており、自動車用燃料電池をデータセンターの電源として利用することを検討し、70kWの燃料電池とITラックの統合に成功しました。その取り組みに関する NRELの報告書によると、ダイムラーとHPEはこれを250kWバージョン、そして最終的には3MWにする予定でしたが、2020年にプロジェクトは終了しています。「さらなるテストと分析は、Covidとそれをさらに運用するための資金が確保されていないため、2020年7月にプロジェクトが廃止された時点で打ち切られた」

トヨタの新システムは、より大規模に移行しており、直流と交流の出力が可能となる予定となっています。

トヨタの燃料電池は、もともと小型燃料電池電気自動車市場向けに開発されたもので、NRELに納入するため、Telios社が統合を進めています。トヨタは、効率とシステム寿命を最大化するために、燃料電池モジュールを操作する統合制御システムを開発しました。

マイクロソフトとPlug Power社の実験と同様、トヨタのチームは、ディーゼル発電機のドロップイン代替品として大量生産できるよう、設計を簡素化・合理化する予定です。

「カーボンニュートラルの達成には、ゼロエミッション技術の新たな応用を模索することが必要だ。その際、その技術が他のシステムとどのように統合されるのか、NRELとのプロジェクトはそれを明らかにする。トヨタの燃料電池モジュールがこのような大規模なプロジェクトに適用されることは、1台の乗用車に搭載される燃料電池モジュールであれ、複数のシステムを組み合わせて大型機器に搭載するものであれ、トヨタの燃料電池技術の拡張性を示すことになる」トヨタ自動車 燃料電池ソリューション事業開発担当グループのバイスプレジデントChristopher Yang氏はこのように述べています。

NRELの研究者は、システムを拡張し、運用の限界を押し広げ、性能の限界と時間経過による劣化を特定することで、燃料電池開発者が将来のアプリケーションで使用できる貴重な実環境データを生成します。また、このプロジェクトでは、エネルギー貯蔵や太陽光発電・風力発電などの再生可能エネルギーシステムと統合した場合のシステムの性能も評価します。

NRELの研究エンジニアでプロジェクトの主任研究員であるDaniel Leighton氏は、「我々は、性能、耐久性、システム統合の課題を理解するために、定置発電用のPEM燃料電池システムの規模の研究を行っていく」と述べています。「この燃料電池発電機システムは、NRELにおける新しいメガワット規模の燃料電池研究能力を創出するものでもある」

この燃料電池発電機は、NRELのFlatironsキャンパスにあるAdvanced Research on Integrated Energy Systems(ARIES)メガワット級水素プロジェクトの一部です。このプロジェクトには、1.25MWのPEM電解槽、600kgの水素貯蔵システム、1MWの燃料電池発電機も含まれており、メガワット規模での再生可能水素製造、エネルギー貯蔵、電力生産、グリッド統合を示すプラットフォームとなっています。

燃料電池発電機は今夏に設置され、2022年後半にフルシステムの稼動が予定されています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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