GlobalFoundries と Quantum Motion が量子プロセッサ開発で提携
チップは「現在の最先端」製品より100倍高速であると主張
チップメーカーGlobalFoundries(GF)社と英国の量子コンピューティング企業Quantum Motion社は、スケーラブルなシリコンプラットフォームをベースとした量子プロセッサの開発で提携したと発表しました。
声明の中で両社は、GF社がQuantum Motion社によって設計されたシリコンチップを製造し、それは「現在の最先端技術よりも少なくとも100倍高速」であると伝えています。
このチップは、0.1平方mm以下の範囲に1,024個の量子ドットを集積したもので、5分以内にバリデーションが完了するといいます。この製品は、1ケルビン(-272.15℃/-457.87°F)以下の温度範囲を提供しつつ、電力効率に優れたエッジ処理とシステムオンチップ統合を採用したGF社の300mm 22FDX プラットフォーム上で製造されました。
FDXプラットフォームはまた、クライオジェニック(※低温)チューニングと制御をサポートするバックゲートバイアス機能を提供します。これは、読み出しと制御の動作において、バルク・シリコンのソリューションと比較して「大きな利点」となるとGF社は述べています。
「今回のGlobalFoundriesとの提携により、スケーラブルな製造技術が量子コンピューティングの厳しい要求にも耐えられることを実証することができました」とQuantum MotionのCEOであるJames Palles-Dimmockは述べています。「この成果は、シリコンベースの量子チップが確立された半導体プロセスで製造可能であることを示すものであり、量子研究と産業規模の生産とのギャップを埋めるものです」
GlobalFoundriesのSVP兼コーポレートフェローであるTed Letavicは次のように付け加えています。「今回の協業は、GlobalFoundriesが当社の22FDX技術プラットフォームなどの差別化された技術を活用し、量子コンピューティングの未来を形作るのに役立つ進歩を推進している一例と言えます」
「Quantum Motionが示した結果は、当社のプロセス技術と先進的な 22FDX プラットフォームが革新的な量子構造を実現するのに十分な堅牢性を備えていることを示すものであり、非常に心強く思っています。我々は、スケーラブルなモノリシック量子プロセッサーのビジョンをサポートするために、 Quantum Motionとの強力なパートナーシップを今後も継続していきたいと思います」
Quantum Motion社は、2017年にJohn Morton教授とSimon Benjamin教授によって、従来のCMOSチップを使用した量子コンピューターの開発を目的に設立されました。2人の教授が勤務していたUniversity College London(UCL)とオックスフォード大学からスピンアウトした同社は、2023年に5,080万ドルの資金を調達しました。
一方、GlobalFoundries社は最近、ニューヨーク州マルタにある既設工場を拡張するため、CHIPS and Science Actの下で米国政府から15億ドルを獲得しました。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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