D-Wave 1,200量子ビットの量子コンピュータを発表
量子コンピューター企業のD-Waveは、1,200量子ビットのAdvantage2(Adv2)プロトタイプのキャリブレーションを行ったと発表しました。
この新たなAdv2プロトタイプは、1,200以上の量子ビットと10,000以上のカプラを備え、難しい最適化問題において20倍の解答時間短縮を実証しています。
D-Wave社によると、量子ビットの接続性も15ウェイから20ウェイに増加し、エネルギー使用量も40%以上削減され、量子ビットのコヒーレンス時間も2倍になったといいます。
このプロトタイプは間もなく、同社の量子クラウドサービス「Leap」で利用可能になる予定です。
D-Wave社によると、この新しいAdvantage2プロトタイプは、スピングラスを解くスピードも20倍速く、同社が実施した研究によると、Advantageシステムと比較した場合、マテリアルズシミュレーションにおいて量子相関を2倍速く成長させることができたと説明しています。また、Adv2では、制約充足問題の性能向上に加え、量子シミュレーション・タスクのエラー削減も確認されたといいます。
D-Wave社によると、Advantage2プロトタイプは、Advantageシステムに90%の確率で勝ることができたといいます。
「新しいAdvantage2プロトタイプは、性能面で大きな進歩を遂げた」と、D-Wave社の量子テクノロジー・システム製品担当上級副社長であるMark W. Johnson氏は述べています。「新しい低ノイズ製造スタックにより、コヒーレンス、コネクティビティ、エネルギースケールが大幅に向上し、より高品質で高速な ソリューションを実現することができます」
この1,200量子ビットを超えるプロトタイプによって、Advantage2システムの完全版は、これまでで最も高性能なシステムとなり、我々の顧客のために、大幅な計算能力と問題解決能力を解き放つことができるという大きな確信を得ることができた。」 とJohnson氏は補足しています。
量子アニーリングを利用した量子マシンを提供するD-Waveは、DPCMキャピタルとのSPAC合併後、2022年8月に上場しました。
10月、D-Waveは株価の低さを理由にニューヨーク証券取引所(NYSE)から2度目の上場廃止の可能性に直面しました。同社には、株価を30日間の終値平均1ドル以上に戻すための6カ月間の猶予が与えられていました。
D-Wave の株価は、記事掲載時点で0.81ドルとなっています。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。