富士通がABCIに向けて様々なGPUコンピューティングリソース提供開始

富士通は、AI Bridging Cloud Infrastructure(以下、ABCI)向けに、幅広いGPUコンピューティングリソースサービスを提供すると発表しました。

ABCIは、日本の産業技術総合研究所(AIST)が富士通のComputing as a Service(CaaS)を介して構築・運用するAI処理用の世界最大の計算基盤です。これは、高度なコンピューティングおよびソフトウェア技術へのアクセスの障壁を下げることを支援する富士通のサービスポートフォリオです。

富士通はこの新サービスにより、AIやHPC技術を活用した企業の研究開発活動の加速と生産性の向上を支援することを目指しています。富士通は、ABCIの豊富なGPUコンピューティングリソースを活用し、創薬、材料解析、物流、自然災害シミュレーションなど、社会のさまざまな課題解決に貢献するアプリケーションをCaaSで提供し、日本の産業競争力強化に寄与していきます。

富士通は、この新サービスを2023年4月に日本市場で提供する予定です。新サービスは、富士通のビジョンである「ハイブリッドIT」の一環として、持続可能な世界の実現に向けた富士通のグローバルソリューション「FUJITSU Uvance」のKey Focus Areaである「つながる社会のためのデジタルインフラ」を実現するために開始される予定です。

最先端技術の社会実装を加速し、日本の産業競争力強化に貢献します。

日本におけるAI開発の加速を目指し、産総研は2018年、世界最大級の計算基盤「ABCI」を立ち上げました。その後、ABCIは多くの日本企業で利用され、目覚ましい成果を上げています。富士通は、ABCIのGPU計算資源を富士通のCaaSで提供することで、専門知識を持たない日本国内企業を含むより多くの企業が高度で大規模な計算技術を活用できるようにし、最終的には先端技術の社会実装や産業競争力の強化を加速させることを目指しています。

CaaSの概要

富士通は、ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)やAI技術、量子力学を応用したデジタルアニーラーを含むクラウドサービスポートフォリオとしてCaaSを提供します。ABCIのGPUをはじめとする世界最高水準の計算・データ処理能力を有する計算資源をCaaSで提供することにより、従来のオンプレミスの計算環境では実現できなかった大規模シミュレーションの高速処理を可能にします。

富士通株式会社 理事 Uvance Core Technology本部長の有山 俊朗氏は、次のように述べています。「複雑化する日本の社会的課題を解決するためには、官民の協力が不可欠です。今回の取り組みは、そうした協力のロールモデルになると考えています。この取り組みを通じて、富士通は、誰もが目標を実現できる持続可能な社会の実現をさらに加速させると確信しています。」

国立研究開発法人 産業技術総合研究所 上級執行役員 関口 智嗣氏は、次のように述べています。「2018年8月にABCIを立ち上げ、その高い演算性能により、日本の先進的なAI研究開発やアプリケーション実証に活用されています。ABCIを富士通のサービスに組み込むことで、より多くの企業に利用され、その最先端技術が社会実装の加速に貢献することを期待します。」

W.Media (Venkatesh Ganesh記者)より抄訳・転載

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