富士通、CESGAに量子コンピュータを提供

スペインのスーパーコンピューティングセンターは、今年、〜1,500万ドルの量子コンピュータを調達予定

Galacian Supercomputing Center (CESGA) は、富士通から約1500万ドルの量子コンピュータを導入すると発表しました。

スペイン北西部に拠点を置くCESGAは、今年後半にこのシステムを導入する予定です。このシステムは、Xunta de Galicia(ガリシア地方政府)のGalician Innovation AgencyおよびEUから資金提供を受けていますが、EuroHPC経由ではなく、「危機修復能力を育成し、グリーン、デジタル、レジリエントな経済の回復に貢献する投資プロジェクトを支援する」React-EUプログラムの一部として提供されます。

富士通が提供するこのシステムは、「フレキシブルな」量子コンピュータ、高性能コンピュータ、量子アルゴリズムエミュレータ、およびストレージシステムが含まれる予定です。ハードウェアの詳細については、まだ公表されていません。

今回の発表に先立つ直近のアップデートとしては、昨年のFinisTerrae IIIの発表が挙げられます。これは、Atosが供給し、IntelとNvidiaを搭載したシステムを使って構築された4.4ペタフロップのスーパーコンピュータです。

AtosはCESGAに30量子ビットの量子学習マシンも提供し、FinisTerrae IIIに導入されました。当然のことながら、CESGAはそれ以降、量子分野でますます積極的に活動しています。

CESGAは2022年夏にGalician Quantum Technologies Poleを創設し、学術・研究面でもビジネス面でも、Galiciaを「2030年までに量子コンピューティングと通信における欧州および国際ベンチマーク」とするために、3000万ユーロ(3220万ドル)の資金提供を皮切りに、その活動を開始しました。

CESGAは、同国における量子コンピューティングインフラの構築を目指す「Quantum Spain」プロジェクトや、スペイン政府と共同で量子通信インフラの整備を目指す「Complementary Plan for Quantum Communications」にも参画しています。

富士通は2022年8月、理化学研究所と共同で今年4月から企業向けに量子コンピュータを提供する計画を初めて発表しました。両社はまず、2024年までに研究機関向けの64量子ビットの量子コンピュータを構築する予定です。その後、1,000量子ビットのマシンに取り組み、それを2026年までに提供する計画です。

このプロジェクトはEuroHPCの資金提供によるものではありませんが、European High-Performance Computing Joint Undertakingは、2022年10月にヨーロッパ全体で1億ドルのプロジェクトで量子コンピュータをホストする6カ所を選定しました。ホスト国として選ばれたのは、チェコ、ドイツ、スペイン、フランス、イタリア、ポーランドの6カ国です。この新しい量子コンピュータは、2023年後半までに利用可能になる予定です。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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