台湾、AIクラスターを備えたデータセンターを開設

国家主権型AI(ソブリンAI)の取り組みに貢献する施設を目指す

台湾の頼清徳総統は、同国南部の台南において、新たなデータセンターを立ち上げました。

このデータセンターは「国家級クラウド計算センター」と呼ばれており、IT容量は15MWで、ロイターの報道によれば、台湾のNano 4 AIスーパーコンピューターが設置されています。データセンターに関するさらなる詳細は明らかにされていません。

Nano 4 AIスーパーコンピューターは、1,760基のNvidia H200 GPUと、144基のBlackwell chipsを搭載したGB200 NVL72で構成されており、Crystal26 スーパーコンピューターの一部です。Crystal26は、Top500リストで29位にランクインしています。

台湾の国家実験研究院によると、Nano4単体の消費電力は2.214MWです。

台湾政府は、このデータセンターがAIイノベーションおよび開発、高性能コンピューティング、通信、クラウドコンピューティングサービスを提供する同国の能力を高めることを期待しています。

この施設は、データセンターの整備、人材育成、電力設備の開発を含む、台湾の「AI新十大建設計画(Ten Major AI Infrastructure Projects)」構想の一環です。

TSMCが世界最大の半導体受託製造企業であることからも分かるように、台湾は長年AI向けチップ製造の強みで知られてきましたが、現在は他国や他社にチップを供給するだけでなく、その先の領域へと能力を拡大することを目指しています。

頼総統は、「これは、台湾が先進的なチップ製造だけでなく、システムインテグレーションと高性能計算においても世界クラスの力を有していることを世界に示すものです」と述べています。

この施設は台南科学園区内に立地しています。同パークは1993年に「経済刺激策」の一環として開発が進められ、1995年に正式に用地として承認されました。

パーク全体の面積は1,043ヘクタールに及び、TSMCのファウンドリーをはじめとするさまざまな産業が集積しています。

台湾のデータセンターの大半は、島の北部に位置する台北周辺に集中しています。南部に位置する台南にはデータセンターがほとんどなく、DataCenterMapでは中華電信のみが事業者として掲載されています。

2025年11月には、GMI Cloudが、96ラックに約7,000基のNvidia GB300を収容する、5億ドル規模のデータセンターを台湾で開発する計画を発表しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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