
NTTがエッジでの低消費電力映像処理向けAI推論チップを発表
2025年の商用化を目指す
NTTは、エッジデバイスや消費電力に制約のある端末での映像処理に向けたAI推論チップを発表しました。
同社によると、この大規模集積(LSI)は、4K解像度、30フレーム/秒までの動画のリアルタイムAI処理を提供し、エッジでの低消費電力推論を可能にするとのことです。
エッジや電力制約のある端末に搭載されるAIデバイスは、AIサーバに搭載されるGPUと比較して消費電力に制約がありますが、NTTは、「検出精度を確保しながら計算量を削減」し、フレーム間相関や動的ビット精度制御により計算効率を向上させた「NTT AI推論エンジン」をLSIに搭載することで、制約を克服できるとしています。
同社は、このLSIを事業会社であるNTTイノベーティブデバイス株式会社を通じて、2025年中に商品化する予定であると述べました。
また、超大容量、超低遅延、超低消費電力を実現するフォトニック技術が、AIをどのようにサポートできるかを検討するプログラムであるIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)イニシアティブのデータ中心インフラへのLSIの適用を検討しています。
NTTリサーチの社長兼CEOである五味和洋は、次のように述べています。「低消費電力のAI推論と超高精細映像の組み合わせは、インフラ点検から公共安全、スポーツのライブイベントまで、膨大な可能性を秘めています。当社のLSIは、この種のものとしては初めてこのような成果を達成したものであり、エッジや電力制約のある端末でAIによる推論を可能にする上で重要な一歩となります。」
LISは、NTTの最初のチップではありません。2023年、同社はデータセンターや海底ケーブルの通信速度を向上させる試作チップを開発したと発表しましたが、その実用化にはまだ数年かかることを認めています。
NTTイノベーティブデバイス株式会社は昨年、NTT ElectronicsとNTT研究所内の研究開発部門が合併して設立されました。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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