
NextDCがシドニーの850MWデータセンター共同事業パートナーを模索
12月に日本で初めてのプロジェクト着工を予定
オーストラリアのデータセンター企業のNextDCは、ニューサウスウェールズ州で数十億豪ドル規模の共同事業に向け、パートナーを探しています。
同社は先週の決算発表で、シドニー西部に計画中のS4およびS7データセンターについて、第三者の民間資本と提携し、所有・開発・運営を行うJVプラットフォームの設立を目指していると述べました。
NextDCは、今後10年以上にわたり、シドニーで850MWの新たなデータセンター容量を構築するため、150億豪ドル(約98億米ドル)の資金を調達することを目標としています。
このJVにより、NextDCは「豊富な民間資本」にアクセスできるようになると話しています。
同社はJVにおいて少数株主としての立場を維持しつつ、運営と管理を継続する方針で、今後12〜18か月以内の契約締結を目指しています。
NextDCは決算資料の中で、「このJVが確立されれば、将来的なJVのスケーラブルなモデルとなり、西シドニー以外の開発機会への拡張も可能になる」と述べています。
Australian Financial Review紙によると、NextDCは「Project Berlin」の一環として、長期的なパートナー確保のため、Morgan StanleyとCadence Advisoryを起用しています。
NextDCは現在、稼働中または開発中のデータセンターをシドニーで6施設保有しており、総容量は約500MW、総面積は178,500平方メートル(190万平方フィート)です。ArtarmonにS3、S6、Macquarie ParkにS1、S2、S5、Horsley ParkにS4を有しています。
S7の計画は、昨年発表されました。Eastern Creekに位置するこのサイトは約258,000平方メートル(278万平方フィート)で、最大550MWの容量を提供することができるとされています。
NextDC、決算を発表 — 東京での着工を計画
NextDCは、オーストラリア国内でシドニー、メルボルン、ブリスベン、パース、ポートヘッドランド、キャンベラ、アデレード、サンシャインコースト、ダーウィンなどに20のデータセンターを運営・開発中です。
オーストラリア国外では、東京、バンコク、ジョホール、クアラルンプール、シンガポールで拠点を計画、あるいは評価中です。
2025年度の総収益は前年度比6%増の4億2720万豪ドル、EBITDAは2億豪ドル、税引前損失は6000万豪ドルでした。
決算について、NextDCのCEOであるCraig Scroggieは、「2025年度は純収益予想を上回り、契約記録を更新しました。2026年度は戦略的投資を通じてプラットフォームを拡大し、第4次産業革命によるデジタルインフラの急成長を当社が牽引する年になるでしょう」と述べました。
同社は現在、120MW以上の容量を開発中で、さらに100MWが計画段階にあります。2025年には43MWが供給され、総稼働容量は約208MWに達しました。開発パイプラインは合計3GW以上とされています。
2025年度の設備投資額は16億9900万豪ドル(約11億1000万米ドル)で、2026年度には18〜20億豪ドル(約11.8〜13.1億米ドル)に達する見込みです。
NextDCはまた、CBRE I.M.と提携し、東京でのデータセンター開発を進めています。敷地はすでに確保されており、2025年12月に着工、2030年の完成を予定しています。この30MWの施設は液冷方式で、Tier IV品質を目指しています。
2023年には、初めて国際展開を発表しており、東京ではTK1(開発中)とTK2(評価中)の2施設を計画しています。
バンコク、ジョホール、シンガポールの拠点も評価中とされています。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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