Starcloud-1衛星が宇宙に到達、NVIDIA H100 GPUが軌道上で稼働開始

宇宙データセンター構想に向けた先行検証展開

宇宙データセンターのスタートアップ企業であるStarcloudが、初の衛星を宇宙に打ち上げました。

Starcloud-1は今週日曜日に打ち上げられ、軌道に運んだSpaceXのロケットからの分離に成功しました。

小型冷蔵庫ほどの大きさで重量60kgのこの衛星は、宇宙初のNVIDIA H100 GPUを搭載しています。

Astro DigitalのCorvus-Microバスを基に設計され、検証期間は約11か月を予定しています。その後、325kmの軌道から離脱し、大気圏で燃え尽きる計画です。

Starcloud-1は主に試験衛星ですが、ネオクラウド企業のCrusoeはStarcloudとの提携により、2027年初頭から「限定的」なGPUアクセスの提供を計画しています。

検証が計画通り進めばStarcloudは、宇宙に大幅に大型化したデータセンターを建設する構想を掲げており、4平方キロメートルの太陽電池アレイで駆動する5GWの衛星データセンターの展開を提案しています。

StarcloudのCEOであるPhilip Johnstonは、LinkedInで「Starcloud-1は稼働中です」と述べました。

「Starcloudは、わずか21か月前に設立されたばかりですが、この衛星は宇宙で最初のNVIDIA H100を搭載しており、他の衛星に高出力の推論およびファインチューニング機能を提供します。」

同氏はさらに、「Starcloud-1との通信に成功し、試験機は『標準運用』モードで、姿勢制御は安定しており、地上局を追跡しています。バッテリーは満充電です。すべて正常に機能しています。」と付け加えました。

Amazonの創設者でありBlue OriginのオーナーであるJeff Bezosは先月、「10年以内には、宇宙にGW級のデータセンターが登場すると確信しています」と述べ、元Google CEOのEric Schmidtは今年、宇宙企業Relativity Spaceを買収し、軌道上にデータセンターを設置する計画を明かしています。

11月2日、イーロン・マスクはSpaceXも宇宙にデータセンターを展開することを検討している、と述べました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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