Shark TankのKevin O’Leary「米国で計画中のデータセンターの50%は建設されない」

北米の電力事情は芳しくない

米国のビジネスリアリティ番組「Shark Tank」のKevin O’Learyは、米国で計画されているデータセンタープロジェクトの半数は、電力不足のために失敗すると考えていると述べました。

番組内で “Mr. Wonderful(ミスター・ワンダフル)” として知られるO’Learyは、不動産投資家であり、暗号通貨マイニングおよびHPCデータセンター事業者であるBitzeroの長年の支援者でもあります。

同氏はDCDに対し、米国の電力網に課題があるため、デベロッパーが発表した大規模プロジェクトの多くは実現しないだろうと語りました。

「市場は大きく変わった」とO’Learyは言います。「私はデータセンター建設に関して、米国やカナダを含む多様な地域で投資に関わっているし、複数の州知事と会う機会もありました。米国での機会を見てみると、発表されたデータセンターの50%以上は建設されないと思います。電力網に電力が供給されていないからです。AI向けに1.4GWを用意するという話が出ていますが、米国にもカナダにもそんなものは存在しません。」

O’Learyは、Bitzeroに創業当初から投資しています。このバンクーバー拠点の同社は世界中でデータセンターを運営しており、サーバーの二酸化炭素排出量削減のため、寒冷な気候を持つ場所を選んで立地していると主張しています。

同社のノルウェー・ナムススコーガンにあるNorway 1は、14,000台の暗号通貨マイニング装置を収容し、40MWの容量を提供しています。Bitzeroによれば、これは現在110MWへ拡張中とのことです。また近隣のRøyrvikにあるNorway 2と呼ばれる5MWの施設もリースしています。

フィンランドでは、コケマキにある施設を運営しており、ここでは10MWを提供しています。今週、この敷地の100エーカー規模の拡張工事が着工され、将来的には容量が1GWに達する可能性があります。

米国ノースダコタ州では、同社は2022年に元ミサイル基地である「スタンリー・R・ミケルセン・セーフガード・コンプレックス」(通称“The Pyramid”)を買収し、現在は同敷地内で2.5MWのデータセンターを運営しています。また、30MW分の設備が「迅速展開に向けて準備済み」とされています。この184エーカーの敷地は、最終的に300MWまで拡張可能です。

Bitzeroは先月、カナダの証券取引所に上場しており、ネットワーク拡大のための追加資本調達を目指しています。

O’Learyは、Bitzeroが低炭素かつ安価な電力契約を既に確保している点が、非常に競争力のある強みになっていると主張します。

同氏は次のように述べています。「Bitzeroの価値は劇的に上昇しており、時間が経てば市場もそれを認識すると思います。同社が持っているのは、土地・許認可・水とともに、1kWhあたり6セント未満の電力を供給できる点です。これは世界のどこでも見つけるのが非常に難しいものです。」

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。