米国、シンガポール、日本が、データセンターに最適な場所のランキング上位に

Arcadis社調査レポート

設計・建築コンサルタントのArcadisが発表した最新レポートによると、米国、シンガポール、そして日本が、データセンター構築に最適な場所であると報告されています。

ArcadisのData Center Location Index 2021では、電源コストとセキュリティ、建設許可の取得のしやすさ、サイバーセキュリティ、デジタルサービス市場などの要素を考慮し、50か国がランク付けされています。レポートでは次にDC建設に適した場所としてスウェーデンとノルウェーが挙げられています。

マーケットリーダー

Arcadis UKのマーケットインテリジェンスリードのナタリー・ザウバー氏は、次のように述べています。「このインデックスは、クライアントが最適な場所の決定基準を検討するのを支援するうえでの出発点の提供を目的としている。原則として、デジタルインフラストラクチャはほぼどこにでも構築でき、世界中のどこでも顧客にサービスを提供するために使用される。しかし、投資収益率(ROI)を最適化するという観点からは、新しいデータセンターを構築するのに適した場所を選択することが重要である」

– shutterstock

レポートには、1人あたりのGDP、建設許可の取得のしやすさ、電力価格、エネルギーセキュリティ、サイバーセキュリティ、市場規模、モバイルブロードバンドサブスクリプションの数、平均ダウンロード速度と8つの基準が設けられています。Arcadisは、どの要素が最も重要であるかを決定し、それらを組み合わせ、需要と供給の要素が等しく重み付けされるようにしました。今年のレポートでは、気候変動やCovid-19パンデミックの影響、および世界的なハイパースケールデータセンターへのシフト等が考慮されています。

このリストは、1月にCushman&Wakefieldが発行した同様のレポートとは大きく異なっています。Arcadisが国全体での比較ですが、Cushmanは48の市場を調査し、米国を複数の地域に分割しています。Cushmanは、上位10か所のうち6か所を個々の米国のハブ拠点に提供し、オーストラリアをArcadisよりも高く評価しています。Cushmanはシドニーを3位とし、Arcadisはオーストラリア全体を13位としています。他のランキングもかなり異なります。Arcadisは英国を12位に、Cushmanはロンドンを7位に挙げています。

Arcadisは、米国は信頼できる電力を有し、 再生可能エネルギー の供給量が増えてきていると述べていますが、電力コストが「課題」となる可能性があると警告し、デベロッパーに「フリークーリング技術に適した場所」を選択するようアドバイスしています。

シンガポール(Arcadisでは2位、Cushmanでは5位)は、同国内での電力と土地が不足しているにもかかわらず継続する高い需要と、現時点で、新データセンタープロジェクトに対するモラトリアム(一時停止措置)がほとんど公表されなくなったという事実に基づいた結果となっています。

Arcadisは北欧諸国を高くランク付けしており、スウェーデン、ノルウェー、デンマークを4、5、6位、フィンランドを8位と位置付け、接続性、高いGDP、信頼性の高い再生可能エネルギーの供給に着目しています。Cushmanはそれにそれほど感銘を受けておらず、ストックホルムを将来注目すべき市場としてマークしています。

Arcadisのレポートにおける残り上位10か国は、アラブ首長国連邦、フランス、スイスとなっています。また、中国、オランダ、ドイツ、アイルランド、インドを、注目市場リストとして掲載しています。

Data Center Dynamics

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