ヨーロッパDC市場は2021年に2000MWの容量に【CBREレポート】

不動産会社CBREのレポートによると、2021年はヨーロッパのデータセンター市場では415MW以上の容量追加が見込まれ、ブームの年となるだろうとしています。

FLAP(フランクフルト、ロンドン、アムステルダム、パリ)市場は、415MWの容量が追加されます。これは過去のピーク年であった2019年よりも100MW多い数値であると、CBREの市場に関する四半期報告書は述べています。容量の拡大傾向は活発であり、総供給量は2,200MWに達し、需要は2022年と2023年まで続くだろうとしています。

建築と同じスピードでデータセンターが埋まっていく

大量の追加容量は、構築が完了する前に放出されてしまっている、とCBREのEMEAデータセンターリサーチディレクターであるPenny Madsen-Jones氏は言います。2020年の間、FLAP市場のプロバイダーは、440MWの新たな容量の契約を締結しました。これは今後数年間で提供されていく予定となっています。

「供給の課題に直面しているデータセンター市場が、継続的な高い需要に対応できたことは注目に値する」とMadsen-Jones氏。「制約は、最終的にはより多くの顧客を生み出した。特にハイパースケール顧客は今後数年間に渡るデータセンター需要を慎重に検討するようになり、Pre-let(着工あるいは竣工前にリース契約をすること)活動が活発になった。この結果、CBREは今後数年間にわたる計画について驚くべき洞察を得ることができた」

Madsen-Jones氏は11月に行われたDCD> Europeオンラインイベントで、2020年のヨーロッパのデータセンター構築案件は、パンデミックに伴う規制の影響もあり比較的緩慢であったと語っていました。しかし、業務やリテール業のオンライン化への移行が続く中、データセンターに対する需要は非常に高まり、セクターはその需要に対する準備を整えようとしています。

CBREの予測では、2021年までに、FLAP市場は415MWの新規供給をもたらし、そのうち約370MWは使用される予定となっているとしています。使用される予定の容量の230MW以上は、既にPre-letとして契約済みであるとMadsen-Jones氏は言います。

CBREの数値によると、現在はクラウドが支配的であり、市場需要の80%を占めており、ホールセールスペースを購入するハイパースケールクラウドプロバイダーがデータセンター供給における主な消費者となっています。この(高い)建設率は少なくとも今後3年間は続くと同社は予測しています。

「私たちが見たPre-let活動の多くは、既存クラウドにおける アベイラビリティゾーン に焦点を合わせている。  ビルド・トゥ・スーツ(※特にハイパースケーラーの仕様に基づいて構築される: BTS型施設 参照)市場の成長に伴い、このような活動はさらに増えていくと思われる」

ただし、新たな土地や信頼性の高い電力の調達はますます困難になるため、すべてがバラ色というわけではありません。「多くの市場では、アベイラビリティゾーンが存在するサイトへのアクセスや電力に対する課題を引き続き経験するだろう。その結果、新しいものが見られると予想されます。今後数年間で既存市場全体にわたるアベイラビリティゾーンが形成され、引き続き高い需要に繋がると期待している」

2020年には、FLAP市場全体で173MWの容量が追加され、201MWの供給が行われました。市場は現在、1年前の21%に対し19%の空室率で推移しています。

Data Center Dynamics

原文はこちら

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。