米テキサス州の送電網、今度は暑さで計画外の停電が発生

米国テキサス州の送電事業者の担当者が、発電所が高温に悩まされているため、住民に電気の使用を制限するよう求めました。

テキサス州電力信頼性協議会(Electric Reliability Council of Texas:ERCOT)は、発電所の想定外の停止が相次ぎ、冷房による記録的な電力使用量の増加により、送電網が苦境に立たされていると話しています。

月曜日には約12,000MWの電力が停止しましたが、これは暑い日に240万世帯の電力をまかなえる量です。

ERCOTのシステムプランニング担当シニアディレクターであるウォーレン・ラッシャー氏は、メディアとの電話会談で次のように述べています。「現時点では、(プラント停止の)潜在的な理由をお伝えできるものはない。これはここ数年の夏に見られた発電所のパフォーマンスとは一致していない」

また彼は次のように付け加えています。「我々は、利用可能なリソースを使って送電網を維持している。需要が高いときに発電所が利用可能な状態にしておくのは、発電事業者の責任です」

停止してしまった発電所の大半は、ガスなどの火力発電所であったようです。ERCOTは、計画停電を実施しなければならない可能性は今のところ「なさそうだ」と述べています。

テキサス州では、2月にも大寒波「Uri」に見舞われ、大規模な停電が発生しました。規制の不備や冬場の防寒対策が不十分であったため、1週間にわたって何度も停電が発生し、700人もの死者が出ました

また、半導体メーカーや工場、オースティン市のデータセンターなど、産業界にも影響を及ぼしました。

しかし幸い多くのデータセンター事業者は、必死のディーゼル燃料の補給活動のおかげで、稼働を維持することができました。ただ停電は州全体で起きていたため、ディーゼル燃料は、州外からの配送が必要となりました。

「テキサス州南部、ルイジアナ州からヒューストンに向かう高速道路は閉鎖されていた」と、Digital Realtyのダラス・フォートワースのテクニカルオペレーションマネージャー、ベニー・ファーティック氏は災害分析の中でこのように語っていました。

「燃料不足までには至らなかったが、トラックが到着するまで、24時間の制限時間にかなり近づいていた」

Data Center Dynamics

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