TSMC、熟練労働者不足で400億ドル規模のアリゾナ工場を延期
台湾のチップメーカーTSMCは、アリゾナ州での工場建設を延期し、同社の米国初の工場は2025年まで1年延期されることになりました。
世界最大の受託半導体メーカーであるTSMCは、予定通りに開設するための十分な熟練労働者の確保に苦慮していると述べています。
「台湾から経験豊富な技術者を派遣し、現地の熟練労働者を短期間訓練するなど、状況の改善に努めているが、N4プロセス技術の生産スケジュールは2025年にずれ込む見通しだ」とTSMCのMark Liu会長は述べています。
このプロジェクトは2020年に初めて発表され、その後2022年にTSMCは、米国の巨大工場への投資額を3倍の400億ドルに増やし、2つの工場を建設すると発表しました。当時、第1工場は2024年に稼働し、第2工場は2026年に稼働する予定でした。敷地内には最大6棟の工場が建設される可能性があります。
2022 年には、TSMC もアップルからの圧力により、第一工場を 5nm からより先進的な 4nm 設計にシフトしました。第2工場は3nm半導体をサポートする予定となっています。この2か所の新工場は、フル稼働で年間約60万枚のウエハーを生産できる見込みです。
TSMCは現在も最先端のプロセッサーの大半は台湾で製造しており、米国工場が完全に建設された後も引き続き台湾で製造する予定としています。
同社は今月、第2四半期の純利益が23%減少したと発表しましたが、四半期利益が前年同期比で減少したのは2019年以来初めてのことです。
ゴールドマン・サックスは調査メモの中で、「TSMCは2024年の力強い成長見通しに向けて十分な態勢を整えていると見ている」と述べています。「米国での事業拡大の遅れも投資家の間では十分に予想されていると考えている」
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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