TSMCが今年、チップ製造能力の増強に440億ドルを投じる予定

世界的なチップ不足が3年目に突入する中

世界最大の受託半導体メーカーが、数百億ドルを投じて事業拡大を計画しています。

台湾積体電路製造公司(TSMC)は2022年に製造能力を増強するために、昨年の300億ドルから今年は440億ドルもの費用を投じます。これは同社の記録的数字です。

この拡張はCovid-19の大流行で始まった世界的なチップ不足の中で、最初は供給問題によって、その後記録的な需要によって供給が悪化したことを受けたものです。

在宅勤務の増加によりスマートフォンやパソコンの販売台数が急増しました。しかしアナリストは、この急増は一時的なもので、在宅勤務者はまだ何年かはシステムをアップグレードする必要がないだろうと警告しています。

TSMCはこのような減速が起こりうることを認めた上で、自動車や工場設備など、現在より強力なチップを必要とする他の製品カテゴリーで売上を補うだろうと述べています。同社CEOのCC WeiはFinancial Times紙に対し、「最終市場の需要は台数ベースでは鈍化するかもしれないが、シリコンは増えている」と述べています。

チップのサプライチェーンも依然としてリスクにさらされています。今年初め、ムーディーズ・アナリティックスは、Covid-19のオミクロン変異株が中国のチップ工場の生産に影響を与える可能性があると警告しました。これは中国のゼロコロナ政策が、状況に応じて積極的に工場を停止させることを含んでいるためです。

中国の製造都市である西安は数週間にわたって操業停止となりサムソン、パワーテック、マイクロンの工場に影響を与えました。

デルタ株は、マレーシア、ベトナム、台湾、韓国、日本など、半導体のサプライチェーンの重要なノードにある工場に影響を及ぼしましたが、今回はこれまでの波ほど壊滅的ではないと予想されます。

「 現在は世界の主要チップ生産国の人口の大半がワクチン接種を受けています。 2021年半ばのデルタ変異種急増の時は、ワクチン接種ははるかに少ない人数でした」とシニアエコノミストのTim Uy氏は述べています。



この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。



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