インテルとGoogle Cloudがデータセンター向けアクセラレータチップを共同発表

インテルとGoogle Cloudは、データセンターのパフォーマンスを向上させる共同設計のチップを共同で発表しました。

E2000チップ(コードネーム:Mount Evans)は、ネットワーク処理タスクを担い、CPUにコンピューティング処理を任せるいわゆるInfrastructure Processing Unit(IPU)です。また、暗号化を行うことで、クラウドサービスを利用する異なる顧客間のセキュリティ層を追加します。

このIPUチップはGoogleと共同開発されたものですが、インテルはこれを他の顧客に自由に販売することができます。

Googleは、インテルの第4世代Xeonプロセッサを搭載したC3 VMと呼ばれる新しい仮想マシン製品にこれを組み込んでいます。

インテルの発表では、E2000を「エンドツーエンドのプログラマブル・プラットフォームの実現における重要なマイルストーン」とし、そのアーキテクチャによってC3マシンがC2以前のマシンよりも20%高速に動作すると主張しています。

この発表は、従来のスマートNICを超えるネットワークチップの発展形である(DPUと呼ばれることもある)IPUの動きに信憑性を与えるものです。

インテルのネットワーク&エッジグループのジェネラルマネージャーであるNick McKeown氏は、「我々は、Google Cloudと最初のASICインフラストラクチャ処理ユニットをコード化できたことを嬉しく思う」と述べています。

「C3 VMに導入されたSystem on a Chipハードウェア・アーキテクチャは、より優れたセキュリティ、分離、パフォーマンスを可能にする」と、Google CloudブログではC3マシンについて述べています。「将来的には、この専用アーキテクチャによって、ネイティブベアメタルインスタンスのサポートなど、より豊富な製品ポートフォリオを提供することも可能となる」

とりわけ、新しいアーキテクチャは、コンピュートインスタンスサイジングをストレージ性能から切り離すことで、ブロックストレージを可能にします。これにより、仮想CPUあたりのIO性能が向上します。

また、IPUはC3 VMに200Gbpsの低レイテンシーネットワークを提供し、オープンソースのPSPプロトコルによってラインレートで暗号化されています。

Googleは、長期的には IPU と、先に発表した TPU によって、インフラがより自律的に動くようになると話しています。

「クラウドインフラの複雑さが指数関数的に増加する中、業界として、これらのプラットフォームを大規模かつ効率的に管理するための自動化に目を向けなければならない」とGoogleはブログで述べています。「 Infrastructure as Code(IaC)とともに、Titan、TPU、IPUのようなカスタムチップは、そう遠くない未来に、インフラストラクチャのすべての決定の半数以上を自動化し、使用パターンに応じて動的にシステムを構成する道を開いていく」

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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