電力効率は5Gの要求に適応する必要がある【特集】
5Gは、高速データ転送の到来を告げ、コンピューティングテクノロジーのニューウェーブをもたらすが、一方でエネルギー効率に新たな圧力を与えるだろう
黎明期~4G
1979年、日本電信電話(NTT)は東京で世界初のモバイルセルラーネットワークを立ち上げました。そのアナログシステムは、現在では「第1世代」または1Gネットワークと呼ばれています。1983年までに、NTTは日本全体にカバレッジを広げましたが、一方で他の1Gネットワークがヨーロッパやその他の地域で生まれました。
Motorolaは1983年に米国でサービスを開始しました。ベル研究所は1947年時点で既にそのようなネットワークを提案していましたが、実用的ではないとして却下されました。1Gには、音声品質の低さやカバレッジの制限など、多くの欠点がありました。また、標準がなかった為、異なるネットワーク間のローミングサポートはありませんでした。しかし、それは革命的であり、業界のさらなる発展への道を開きました。
次のイテレーション(反復)である2Gは、デジタル無線信号が使用され、大幅な改善が施されました。それは1991年にフィンランドで登場し、国際ローミングの可能性を約束した「GSM」という標準の下で立ち上げられました。SMSとMMSが提供され、新技術は広く採用されました。2Gは低速で帯域幅が比較的狭かったにもかかわらず、これまでにない規模で企業や顧客に革命をもたらしました。
3Gは、各ベンダーが使用する通信プロトコルを標準化して真に国際的なローミングを提供することを目的として、2000年までの数年間で進化しました。NTTドコモは2001年に世界初の3Gネットワークを立ち上げました。3Gは2Gのピーク値の約4倍の速度を提供し、VoIP、ビデオ会議、Webアクセスなどの新しいプロトコルやソリューションをサポートしました。
これにより、携帯電話通信のパケット交換時代が始まりました。当初はインターネット接続などの機能において苦労していましたが、2007年のiPhoneの発表により、3Gの機能性は限界点に到達しました。4Gが必要であることは明らかであり、ITUを含む国際標準化団体は2002年から4Gに向けての取り組みを開始しました。
2009年に、4G Long Term Evolution(4G LTE)規格がスウェーデンとノルウェーで最初に実施され、その後数年間で全世界に展開されました。4Gのスピードは、外出先でのマルチプレーヤーゲーム、高品質のビデオストリーミングなどの数多くの事を可能にしました。ただし、一部地域の4Gの普及率は非常に低く、このプロトコルは世界中の多くの地域で通信の不均一性に悩まされています。
5Gへ
5Gへの道筋はすべて、4Gが提供された瞬間から開発されており、現在、特定の地域では既に展開が始まっています。これは、1平方キロメートルあたり最大100万台もの端末の接続を許可するなど、多くのセクターに革命をもたらす可能性を秘めた大幅な改善が約束されています。
IHS Markitによる最新の見積もりでは、5Gは少なくとも12兆ドルの経済的インパクトをもたらすと考えられています。更に、モバイル通信ネットワークの分野でエネルギー効率の革命が約束されています。
IoT 時代は今本格化してきており、地球上の全人口よりも多くの端末がインターネットに接続されています。これらのすべての端末は、ほぼ常時データを送受信します。家庭用IoTアプリケーションはローカルワイヤレスネットワークのメリットを享受しますが、ビジネスおよび産業用IoTには、全てのアプリケーションに同時に対応する十分な帯域幅だけでなく、制限されない長距離に渡る接続が必要となります。
現在、非常に数多くの端末が3Gと4G双方の通信網に接続し、これらのネットワークは限界に近づいてきており、絶え間ない接続を要求する更に多くの新規の端末を追加することはできなくなってきています。そこで5Gの出番となります。5Gは、はるかに高帯域幅を持ち、以前よりも高速かつスマートかつ効率的です。
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