Lancium、再エネ発電所にHPCを

余剰のグリーン電力があるとサーバの電源が入る

テキサスに拠点を置くスタートアップ(新興企業)のLancium(ランシウム)は、風力発電所で、rampable(= 専門的な )高性能コンピューティング( HPC )施設の運営を計画中であり、現在は、そのソフトウェアを従来の データセンター に提供しています。

同社は、風力発電所や太陽光発電所に低コストの設備を配置する計画を持って2019年に創業されました。これらは、余剰の再生可能電力ができるまでアイドル状態となり、そしてその後、顧客にHPCジョブを実行するために ramp-up (=動作を強める)します。現在、Lanciumは、特許取得済みのSmart Responseソフトウェアを、容量を自由にオン/オフしたいとする従来の施設を運営するユーザに対し提供しています。

スマートレスポンス?

「再生可能エネルギーは未来だ。」とLanciumのCEOであるMichael McNamara氏はDCDの電話インタビューで語っていました。「グリッドにはもっと多くのものが必要だが、問題は過剰なエネルギーが断続的に発生することだ。」風力発電所や太陽光発電所は、風力や太陽光が許す限りエネルギーを生成しますが、需要と一致しない場合があります。「例えば非常に風が強く、晴天の日であった場合、価格はマイナスになります。このようなことは多く発生し、 マイナス価格設定はビジネスモデル上良くないため、より多くの 再生可能エネルギー 設備の構築の広がりを難しくしている。」

Lanciumのアイデアは pausable (=一時停止可能な) 施設である、と彼は言います。「我々はグリッド価格が低いときにオンになる(=活性化する)型破りなデータセンターが欲しい。」これは 〔電気・ガス・水道などの〕 公共施設も助ける、と彼は言います。 「グリッドはBrownout(=電圧低下)がないようにしたいと考えており、これを実現するための最良の方法は、レスポンシブ(=応答性の高い)負荷をかけることだ。」

– Lancium

Lanciumの計画は、これらを再生可能な電力源で実現することです。この場合、伝送上で損失することなく余剰電力を吸い上げることができます。顧客は、時間的制約のない「バッチ」処理を送信し、経済的に実行可能なタイミングで処理されます。

Lanciumは10MWから100MWで稼働する施設を構築する予定ですが、現在テキサス州ヒューストン郊外に2.5MWの実験施設を持っています。「これはシンプルな倉庫型シェルであり、一般のデータセンターとは違い、 HVAC はなく、 ラック は床に置かれ、冗長の電源や冷却はない。」同社はまだ風力発電所での施設の建設は行っていませんが、無料の負荷試験サービスを提供しています。

「施設は価格をリアルタイムに監視しているので、グリッドが何を必要としているのかを正確に把握できる。」と彼は言います。「顧客は一時停止可能なジョブを送信します。これは特定の時間に処理を縛られない大きなバッチジョブです。これらは、機械学習、 siesmic processing(地震探査処理)、気象シミュレーション、または創薬のための分子モデリングなどが考えられる。」

同社はこの分野でいくつかの大学と協力していますが、現在多くの容量はビットコイン採掘に使用されています。「 ビットコイン にはシンプルなビジネスモデルと信頼できるプロセッサがある。」

McNamara氏によると、風力発電所のデータセンターは、85%の時間稼働できる可能性があるといいます。テキサスの公益事業者ERCOT(Electric Reliability Council of Texas)の価格は非常に動的で、30倍ほど変動する可能性があり、そこに一時停止可能なデータセンターのビジネス機会が生み出せる、と彼は語っています。

Lanciumは、ジョブを一時停止可能にするために、一時停止しソフトウェア制御によりsuspended animation(=仮死状態)に入ることができるソフトウェアコンテナを使い、計算の増減、タスクの一時停止と再開、そしてそれらをオンデマンドにさまざまな施設への移行を行うようです。

このソフトウェアは現在、一般データセンター企業からの注目を集めており、事業者が自社施設のpausability(=一時停止性)を測定できるよう、Lanciumはライセンスを供与する予定です。

アイドル状態のハードウェア?

一般のデータセンターでは、ハードウェア投資の回収を望んでいるため、アイドル状態に陥ることはめったにありません。McNamara氏によると、UPSHVAC、冗長システムがなくても、旧世代のCPUとGPUを使用してデータセンターを安価に構築できると言います。また、遠隔地にある風力発電所は不動産も安価であるため、アイドル状態のハードウェアも利用可能であると言います。

ベータテストでは、サービス品質を中または低に設定して、Intel Xeon E5-2680 CPU 、またはTesla K40およびK80 GPU でのジョブの実行を提供しています。

同社は、Smart Response電源管理ソフトウェアの機能に関して5つの特許(5番目の特許は、米国特許番号10,608,433で今週発表)を取得しています。 

Lanciumは、暗号通貨に関心を持つインターネット金融会社である日本のSBIホールディングスからの資金提供を受けています。2019年2月、SBIは同社に株式と負債資金を提供すると同時に、このサービスを使用してLancium施設で暗号通貨マイニングを実行することを約束しました。

Data Center Dynamics

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