オークリッジ国立研究所、気候研究用の10ペタフロップスのスパコンを発表

オークリッジ国立研究所(ORNL)と米国海洋大気庁(NOAA)は、気候科学研究に特化した10ペタフロップスのスーパーコンピュータを発表しました。
 
この新たなハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)システムは、ORNLの国立気候計算研究センター(NCRC)が設置・運用する5台目のスーパーコンピュータとなる予定です。
 
NCRCは、NOAAと米国エネルギー省のパートナーシップとして2009年に設立され、気候モデリングに特化した複数のスーパーコンピュータの運用を目的としています。NCRCは2010年から、より強力なスーパーコンピュータのシリーズを次々と導入し、そのうち3台が現在稼働しています。シリーズの最新は「C5」と呼ばれ、10ペタフロップス以上のピーク性能を発揮する予定です。
 
この新たなHPCは、HPE Crayのシステムをベースにしています。「電力効率、冷却効率、CPUパワーのすべてが、時間の経過とともに大きく向上している。合計8ラックのC3のすべての計算能力を、C5の1ラックで置き換えることができる」と、ORNLのGaea(the collective group of supercomputers)の技術リーダーであるPaul Peltz氏は説明します。
 
C5は2021年第3四半期までに納入・設置される予定でしたが、一連のサプライチェーンの問題により、ハードウェアが到着したのは2022年の夏でした。
 
ORNLのHPCエンジニアであるDan Dietz氏は、「今後アプリケーションベンチマークをシステムにロードし、システムが期待される性能で動作することを確認していく」と述べています。「各ベンチマークを同時に実行するコピーの数を徐々にロードし、高負荷時にシステムが問題にならないようにガスを緩和している。ベンチマークのすべてのコピーで一貫した性能を確認したい」
 
ORNLチームは、来るべき次のシステムに注力するため、スーパーコンピュータの本格的な生産・運用が始まったら、C5から一歩退く予定としています。
 
尚、オークリッジ国立研究所には、エクサスケールのFrontierシステムなど、複数のスーパーコンピュータが設置されています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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