三井物産、ジェネレーティブAI創薬にNvidiaのスパコンを導入へ

日本のコングロマリット三井物産は、創薬にジェネレーティブAIを使うことに焦点を当てたスーパーコンピュータの導入を計画しています。

この Tokyo – 1 は16台のNvidia DGX H100システムで構成され、それぞれに8個のH100 GPUが搭載される予定です。これは、約3.84ピークペタフロップス、つまりエクサフロップの半分のAI性能に相当します。

このシステムは今年中に発売され、今後さらにアップグレードが予定されています。

製薬業界向けの生成型AIスーパーコンピューターと信じられているTokyo-1は、三井物産のAI創薬子会社であるゼウレカが運用します。

三井物産  ICT事業本部 デジタルサービス事業部 デジタルヘルスケア事業室長の阿部雄飛氏 は次のように述べています。「日本の製薬会社はウェットラボにおける研究のエキスパートですが、大規模なハイパフォーマンス コンピューティングと AI の活用は未だ限定的です。Tokyo – 1 を通じて、製薬業界が計算創薬のための最先端のツールでこの状況を一変させることができるイノベーションハブを構築します」

計画されているワークロードの中には、分子動力学シミュレーション、大規模言語モデルのトレーニング、量子化学、潜在的な薬剤の新規分子構造を作成する生成的AIモデルなどがあります。また、Nvidiaが新たに立ち上げたBioNeMo創薬ソフトウェアとサービスも使用する予定です。

ゼウレカ 研究開発部 Product Engineering Managerの牧口 大旭氏は次のように述べています。「昨今のAI分野の隆盛の裏では大規模学習による飛躍的な精度向上が確認されてきました。学習量が一定規模を超えた段階で予測精度は飛躍的に向上しますが、その為にはこの領域に到達できる計算力が必要になってきます。Tokyo – 1 は、このような障壁に対処し、日本でデータ ドリブンな AI 創薬に取り組み、日本の製薬業界のさらなる発展につながるよう、ユーザー企業を支援して参ります」

このスパコンは、アステラス製薬、第一三共、小野薬品など、他の日本の製薬会社でも利用される予定です。また、三井物産は、日本の医療機器メーカーやスタートアップ企業がTokyo-1スパコンを利用できるようにする予定です。



この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。



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