Sila(旧Carter Validus)が全データセンターを13億ドルでMapletreeに売却

米国のREITが米国内データセンター29か所をMapletreeに売却

以前はCarter Validusとして知られていた米国のREITであるSila Realty Trustは、シンガポールの投資会社Mapletree Investment Trust(MIT)に対し、すべてのデータセンターを売却することに合意しました。

この合意により、Silaが米国内に保有する29か所のデータセンターは、Mapletreeに総額13億ドル(約1,400億円)で売却されます。今回の売却は大きなイグジットとなります。Carter Validusは数年前からデータセンターを買収していましたが、今後はヘルスケア物件に注力していきます。

Mapletreeにとっては、テナントが居るデータセンターを購入するという戦略の継続であり、これまでにもDigital Realtyを含む他の事業者からの購入をしていました。

Vale, Validus

Carter Validusは2009年に設立され、テナントに貸し出すデータセンターやヘルスケア物件を所有し、Carter Validus Mission Critical REIT及びREIT IIを通じてAT&Tをはじめとする組織が入居する物件を購入していました。古くは2017年頃からデータセンターの売却は噂されており、2017年には14か所程度のデータセンターをMapletreeに売却していました。

Carter Validusの創業者であるジョン・A・カーター氏は、2018年にCEOを退任し、2020年に会社を去りました。2020年9月、Carter ValidusはCarter Validus Mission Critical REITと、その他のいくつかの事業体を1つの会社に統合し、Sila Realty Trustと社名変更しました。これには4,000万ドルの費用がかかりましたが、運営費を簡素化し、本日発表されたSilaがデータセンター物件から撤退する取引のための足場を固めたようです。

SilaのCEO兼社長であるマイケル・セトン氏は次のように述べています。「MITとの間で、当社のデータセンター物件を売却する契約を締結できたことを嬉しく思う。この取引は、純粋なヘルスケア系リートとしての戦略を追求する中、明確な道筋を提供するための、Sila Realty Trustの進化における新たな重要なステップとなる。本取引の完了後、社内外の成長機会を通じて当社の価値向上に引き続き注力していく。これにより、当社の募集時にお伝えした期間内に株主の皆様のための流動性を実現するための選択肢を最大化できると確信している」

Mapletreeは、バージニア州のBank of America施設(2億800万ドル)など、米国の他のデータセンターについても取得しています。

Digital RealtyがMapletreeに施設群を売却した際、CEOのビル・ステイン氏はDCDに対し、「Mapletreeはリース施設からの収益を求める企業である」と説明していました。「施設は基本的に満床であり、資産に付加価値を生み出せる機会はほとんどない。Mapletreeはこの豊かなリターンを高く評価しているが、当社のコア投資家はより高いリターンを求めている。当社のガイダンスはキャップレートが9~11%である。これが基本的な不動産です」

Silaとの取引は複数回に分かれて行われ、2021年第3四半期中にはすべて完了する予定となっています。

Data Center Dynamics

原文はこちら

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。