米司法省、中国と台湾企業を提訴か – マイクロン製チップの特許侵害
米国政府は、国内の企業に対して、中国 DRAM メーカーFujian Jinhua Integrated Circuit Companyに対する技術提供をしないよう規制しています。この禁止条項は、中国の電気通信事業者であるZTE社に対しても同様に発動されているようです。
米国商務省はコメントを発表し、DRAMサプライヤJunhua社のことを「米国の国家安全保障にとって不利益となるような、重大なリスクとなる」と述べました。同じく同省は、
「Junhua社のDRAM集積回路の生産能力は、ほぼ完璧なものに近づいています。同社が、米国の技術を取り入れながら更に生産を進めらると、米国の軍事システムの一部にも組み込まれているこのDRAMチップの長期的な生存が脅かされることになりかねません。」と述べました。
今年の初め、The New York Timesは「台湾UMC社のエンジニアが、Micron Technology社が57億ドルを投資して建設中のマイクロチップ工場で使用される技術を盗んで、Jinhua社へ流していた」と報じました。Jinhua社とUMC社は、この報道を否定していますが、近日中に、米司法省は2社と、台湾国籍の従業員3名を提訴する可能性が高いとみられています。
相次ぐ提訴
マイクロンは、昨年12月にカリフォルニア州北部連邦地方裁判所に提出された書類で、中国の半導体メーカー「清華紫光集団」による買収提案など、複数の中国企業とのパートナーシップ提案を断ったと主張しています。
マイクロンは、この交渉決裂の結果、Junhua社とUMC社との間で技術設計支援のためにパートナーシップ締結が進んだと主張しています。
その後、UMCとJunhua社は、チップ開発を進めるのではなく、マイクロンの台湾オペレータから昇給とボーナスを提供しながらエンジニアを引き抜き、知的財産権を盗み取るように要求していたようです。
この疑惑を調査している台湾当局によると、マイクロンの先進的なメモリチップに関する主要仕様、および、詳細情報を含む900以上のファイルが盗聴されたとのことです。
今年1月、逆にJinhuaとUMCがマイクロンに対して、製品の特許侵害と賠償支払訴訟を起こした時からこの奇妙な事件はこじれていました。この裁判は福建省の裁判所で聴取されました。(福建省は、省政府としてJinhua社へ投資しています)
その後7月には、マイクロンに対して、中国国内での NAND チップ、 SSD 、メモリスティックを含む26製品の販売指し止めの仮命令が言い渡されました。中国の市場規制当局は、マイクロンの他にも、SKハイニックス、サムスン電子に対して、個別に価格調査を行いました。
これらの商務省の規制により、世界の2大経済大国間の緊張が高まりはますます高まっています。急速に激しさを増している貿易紛争には、データセンターを含む様々なセクターが巻き込まれています。
来月のトランプ大統領と習近平との会合で何らかの成果が見られない場合、12月初旬までに残りのすべての中国輸入品に関税が課される可能性があると警告されています。
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