北京で新しいパブリックAIコンピューティングプラットフォームを立ち上げ

北京では国内のAI開発に必要な「計算能力の急激な不足」を緩和するために、 Beijing Energy Holding が指定したパブリックAIコンピューティングプラットフォームを導入したと報道されています。

このプラットフォームは、 Beijing Energy Holding （北京エネルギーホールディング 北京能源国際 ：BEH）が運営するもので、北京AIパブリックコンピューティングプラットフォームまたは  Shangzhuang (上庄）プロジェクトと呼ばれ、教育機関、研究施設、および中小企業が利用できるようになります。

BEHのWebサイトによると、このプラットフォームは2024年第1四半期にオンラインで提供され、第１フェーズでは500ペタフロップスの計算能力を提供し、第２フェーズではそれを1,500ペタフロップスに増やす予定です。

同Webサイトはまた「プラットフォームが提供する包括的な計算能力サービスは、首都の人工知能エコシステムの育成と構築を支援し、実体経済の変革とアップグレードを力強くサポートします」と述べています（Google翻訳による）。

国内にはすでに100ペタフロップス以上の能力を持ついくつかの最強スーパーコンピュータが存在しており、このプラットフォームが参加すれば、現行の最も強力なスーパーコンピュータのTop500リストで上位10位以内に入ることになります。

プラットフォームの発表時、BEHはプロジェクトを可能な限り持続可能にするとのコミットメントを述べ、将来的にはプラットフォームを完全に再生可能エネルギーで動かす意向を表明しました。

この目標を達成するため、BEHは Alibaba Cloud Computing （アリババクラウド）、 Sugon Information Industry （ 中科曙光）、AIスタートアップの Zhipu AI （ 智譜AI )と戦略的協力協定を結び、再生可能エネルギー、パブリッククラウド、およびインテリジェントコンピューティングインフラの協力に取り組むことを発表しました。

このプラットフォームの発表は、北京市がパブリッククラウドプロバイダに対して、市内の研究機関が利用するために計算リソースを提供するよう呼びかけた時から8か月後のものです。これにより、地域のAI開発を支援することが期待されます。

中国独自の最強スーパーコンピュータのリストによれば、国内には100ペタフロップス以上の能力を持ついくつかのシステムが存在し、これらは現行のトップ500リストの上位10位に入る可能性があります。

500ペタフロップスであれば、新しい北京システムは世界的にも最も強力なもののひとつとなり、Top500のトップ5に入るでしょう。第２フェーズのアップグレード後、それは中国で最も強力なものとなり、世界でわずか数台のエクサスケールシステムのひとつになります。

報道によれば、中国は既に2つのエクサスケールスーパーコンピュータを開発しており、2025年までに最大10台のエクサスケールHPCを計画しています。これらのスーパーコンピュータの仕様は公開されていませんが、運用中の2台はいずれも2エクサフロップス以下とされています。

Sunway Ocean Lightスーパーコンピュータはピーク時に約1.3エクサフロップス、持続時には約1.05エクサフロップスであると考えられており、Tianhe-3はピーク時には1.7エクサフロップス、持続時には1.3エクサフロップスを達成できるとされていますが、これらはまだ検査を受けていません。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。