シンガポール政府が、データセンターの効率性基準を導入

この基準によりIT機器のエネルギー消費量を30%削減できると主張

シンガポール政府が、データセンター運営会社を支援する新たな基準を発表しました。

先週発表された「SS 715:2025:データセンターIT機器のエネルギー効率」という基準は、データセンター内のIT機器のエネルギー消費量を少なくとも30%削減することを目的としています。

本規格は、データセンター利用者が国際的なエネルギー効率基準を満たすIT機器を選択することへの支援や、ワークロード統合・仮想化といった、ITエネルギー管理のベストプラクティス導入によるIT機器利用率向上にも寄与します。同等または少ないエネルギーで計算処理負荷を増大させることを目標としています。

さらに、IT機器は35℃までの温度で安全に稼働できる必要があることを規定しています。政府は、シンガポールの熱帯データセンター基準(SS697:2023)を採用して高温環境で運用する事業者に対し、稼働温度が1℃上昇するごとに冷却システムでさらに2~5%の省エネ効果が期待できると述べています。

同政府によると、熱帯地域におけるITエネルギー効率化のためのデータセンター基準を導入した、世界初の政府の一つであるとのことです。

シンガポール情報通信メディア開発庁(IMDA)のAileen Chia副長官は、次のようにコメントしました。 「データセンターはシンガポールのデジタル経済を支える基盤であり、イノベーションと成長を可能にします。この新たなITエネルギー効率基準は、『グリーンデータセンターロードマップ』および『熱帯データセンター基準』の導入で得られた進展を基盤とし、データセンターにおける施設とIT機器の双方のエネルギー効率向上を加速します。今後も業界と緊密に連携し、シンガポールにおける持続可能なグリーンデータセンターの成長を推進していきます。」

データセンターのエンドユーザーは、新基準で定義されたエネルギー効率基準を満たすIT機器のアップグレードを行うため、IMDAのデータセンター部門向けエネルギー効率補助金を利用することができます。この補助金は、事前に承認されたエネルギー効率の高いIT機器の購入費用を、共同で資金援助します。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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