米バージニア州のAWSデータセンター爆破を計画した男を逮捕

米連邦検察当局は、AWSのデータセンターの爆破を共謀した容疑で、セス・アーロン・ペンドリー容疑者を逮捕・起訴しました。

ペンドリー容疑者(28歳)は、実はFBIの覆面捜査官が届けた偽物を、共謀者からの爆弾だと思い受け取ったとし、逮捕されました。

有罪判決を受けた場合、最長20年の連邦刑務所に入ることになります。

裁判資料によると、FBIは、ペンドリー容疑者が民兵グループが頻繁に利用するフォーラム「mymilitia.com」に気になるコメントを投稿しているという情報から通報を受けたとしています。また、暗号化されたアプリ内で、プラスチック爆弾を使って 「インターネットのおよそ7割を破壊する」と友人に話していたとされています。

テキサス州北部地区のプレラック・シャー連邦検事は、次のように述べています。「被告の憂慮すべきネット上での暴言を通報してくれた市民に感謝する。彼の投稿をFBIに知らせたことで、多くの技術者の命を救えたかもしれない」

ペンドリー容疑者は覆面捜査官に対し、データセンターがFBIやCIAなどの政府機関をホストしていると思い、そのデータセンターを狙っていたと供述している、とFBIは説明しています。AWSは、FBIとCIAが必要とするコンピューティング基盤の多くをホストしていますが、いくつかの冗長化されたGovCloud施設を介しています。

法廷資料によると、ペンドリー容疑者は1月6日のキャピトル・ヒル襲撃事件にも居合わせていたとしていますが、その際に建物内に侵入したかどうか、法律違反があったかどうかについては分かっていません。彼のFacebookアカウントでは、彼は建物内には侵入せず、建物の外で割れたガラスを取ってきたとしています。彼は、ソードオフARライフルをデータセンターに持参したが、車に置いてきてしまったと友人に話していた、と検察は主張しています。

議事堂襲撃事件の後、AWSは右翼系ソーシャルメディアParlerのホスティングを停止しました。このことで、Parlerの一部のユーザーがAWSのデータセンターを爆破すると脅迫し、Amazonはデータセンターのスタッフに対し、そのような企てに警戒するよう警告しました。これらの脅迫が今回の事件と関連しているかどうかは不明です。

今年初め、ニューヨーク市警はその情報報告書で、「陰謀論者や極右の白人至上主義者の団体が、恐怖を煽り、必要不可欠なサービスを妨害し、米国内外で経済的損害を与えるために重要インフラを標的にするケースが増えている」と警告しました。この報告書では、携帯電話基地局に対する複数の攻撃や、さらに大きな攻撃への脅威について詳しく述べられています。

2020年のクリスマスには、アンソニー・クイン・ワーナー容疑者がAT&Tの施設の傍で自爆し、施設に大きな損害を与えました。FBIの調査によると、彼の動機はパラノイアと陰謀論であったとしていますが、AT&Tのビルを狙っていたかどうかについては定かにはなっていません。

Data Center Dynamics

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