英国のスパコンDawnを収容するデータセンターで熱波関連の障害が発生

施設の冷却インフラの故障が事故原因と主張

英国を6月末に襲った熱波により、ケンブリッジ大学のスーパーコンピューター「Dawn」が停止する事態が発生しました。

タイムズ紙の報道によると、このスーパーコンピューターは、極端な高温が原因で6月27日に障害が発生した複数のサービスのうちの一つでした。システムへのアクセスは、7月6日に復旧する見込みです。

今回の障害は、Dawnが設置されているウェストケンブリッジデータセンターの冷却システムの故障が原因とみられています。

この施設の冷却インフラを供給した英国の冷却企業USystemsの親会社であるLegrandは、「USystemsの装置は設計仕様どおりに稼働しており、今回の事象の期間中も設計通りに動作していました」と声明を述べています。

障害の詳細は公表されていませんが、タイムズ紙が引用したケンブリッジ大学の報道担当者によると、Dawnは熱波来襲中に技術的な問題が発生したものの、現在は冷却能力が完全に回復しており、システムを利用する研究者は研究作業を再開できるようになったとのことです。

また、オックスフォード大学の英国がんワクチンAI科学者兼スーパーコンピューティングプロジェクトのディレクターであるLennard Leeは、同紙に対し、処理中のジョブは一時停止されたものの、「データの損失はなく、作業をやり直す必要はないと考えている」と述べました。

英国全土の異常な高温がデータセンターに問題を引き起こしたのは今回が初めてではありません。

2023年、ロンドンにあるGuy’s and St Thomas’ NHS 財団信託が、夏の猛暑で大規模な障害に見舞われました。この障害により、医師が患者の診療記録にアクセスできなくなり、最終的に国民保健サービス(NHS:National Health Service)に約140万ポンド(約190万ドル)の損失をもたらしました。

今回、Dawnが障害に襲われたのと同じ週に、ポーツマスのQueen Alexandra病院が重大事態(クリティカルインシデント)を宣言しました。同院を運営するNHSは、院内データセンターのチラーが故障し、水曜日(6月24日)以降デジタルサービスに影響が出ていると発表しました。

その結果、予定されていた診療や予約の一部が延期されたことに加え、Queen Alexandra病院を訪れる人々には「院内は非常に暑い状態です」との注意喚起が行われました。

この事態は、英国気象庁が猛暑に対する最高レベルの「赤色警報」を発令した後に発生し、最終的に同国は6月では記録的な気温となる37.7℃を観測しました。英国全土では今週、今年3回目となる熱波の到来が予想されています。

本記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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