2022年ロンドンの病院で発生したデータセンター障害の損害は140万£

熱波によりデータセンターがダウン、予約はキャンセル、医師は紙に頼ることを余儀なくされ、1件の臓器移植が見送りに

2022年の熱波時にロンドンの2つの病院で発生した停電により、140万ポンド(約170万円)の費用が発生したことが、NHSのレビューで明らかになりました。

Guy’s and St Thomas’ NHS Foundation Trust の病院を支える2つのデータセンターが、気候変動によって悪化した記録的な気温の中で崩壊したのです。

OpenDemocracyが最初に報告したレビューでは、この事件は予防可能であった可能性が高く、管理者は異常気象のリスクを軽減することができたと述べています。

7月に両方のデータセンターが崩壊した後、職員は紙の使用に頼らざるを得ず、一方で予約はキャンセルされたり遅延したりしました。

100件以上の遅延が発生し、1名の患者が臓器移植を受けることができず、「中程度の被害 」が発生しました。この問題はまた、スタッフに「疲労、ストレス、士気への悪影響」をもたらしています。

サービスが完全に回復するまでには6週間を要しました。

現場のデータセンターが適切に準備されていれば、このような事態は避けられたはずです。 St Thomas 病院ではホースのコネクタが破損したため、空調システムを冷却する作業が遅れ、 Guy’s 院では水道の確保に苦労したため、同様の問題が発生しました。

NHS Trustは昨年、二酸化炭素排出量を削減し、排出量の増加による天候の乱高下に備えるため、施設を改善するための資金調達に苦労していると警告しています。

英国の熱波は、2019年の前回記録より1.6℃高くなりました。

「人間の影響のない気候では、気候モデリングは、英国の気温が40℃に達することは事実上不可能であることを示している 」と、気象庁チーフ科学者 Stephen Belcher 教授は昨年述べています。

「非常に高い排出量のシナリオでは、英国では今世紀末までに3年おきに40℃を超える気温になる可能性があります。炭素排出量の削減は頻度を減らすのに役立ちますが、それでも40℃を超える気温の発生は続き、英国はこうした異常気象に適応する必要があります 。」

また、この記録的な気温により、GoogleやOracleのデータセンターが過熱し、広範囲に障害が発生しました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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