英国のクイーン・アレクサンドラ病院、院内のデータセンターの冷却装置故障で重大インシデント

記録的猛暑の中、NHS施設が運用維持に苦慮

英国ポーツマスにあるクイーン・アレクサンドラ病院は、重大なインシデントを公表しました。

この国民保健サービス(The National Health Service:NHS)の施設は、院内のデータセンターに設置された冷却装置が故障し、水曜日以降、デジタルサービスに影響が出ていると発表しました。一部の予定された診療や予約は延期されており、引き続きクイーン・アレクサンドラ病院に来院する人々には、「院内は非常に暑くなっている」との警告が出されています。

今回のデータセンター障害は、英国で気温が34℃(93.2°F)を超える熱波の中で発生しました。この記録的な高温は、強い高気圧と人為的な気候変動が重なったことによるものです。

英国の気象機関であるMet Officeは、極端な暑さに関する猛暑警報を発令しました。

病院は、次のように述べています。「冷却能力の喪失により、当法人内の複数のエリアで気温が上昇し、デジタルシステムおよび手術室、心臓カテーテル検査室(cath labs)、画像診断設備などの重要な臨床サービスに影響が出ています。」

ポーツマス病院大学NHSトラストの副CEO兼CFOであるMark Orchardは、次のように付け加えました。「今回の熱波によって生じた前例のない負荷に加え、複数の冷却装置が故障したことで、当院の複数のサービスに重大な混乱が生じています。現在、私たちのチームは影響を受けた設備の修復、安全なシステム復旧、そして患者に安全な医療を提供し続けるために全力で取り組んでいます。」

NHSの調査によると、2022年の熱波の際にロンドンの2つの病院で発生した障害により、140万ポンド(約170万ドル)の損失が発生したとのことです。

その期間の極端な高温の中で、Guy’s and St Thomas’ NHS Foundation Trust(英国のNHS病院グループ)の病院を支える2つのデータセンターが機能停止に陥りました。

100件以上の遅延が発生し、1人の患者は臓器移植を受けることができず、「中程度の被害」が発生しました。また、これらの問題はスタッフに「疲労やストレス、士気の低下といった悪影響」をもたらしました。

サービスが完全に復旧するまでには6週間を要しました。

気候リスクの金融モデリング企業First Streetは今月、世界のデータセンター容量の79%が「深刻な気候リスク」に直面していると発表しました。この報告では、バージニア州北部、ジョホール、マルセイユといった主要拠点が最も高い気候リスクの階層に分類されています。

本記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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