
MetaがRISC-VチップスタートアップRivosを買収
買収額は非公開
Metaは、社内の半導体開発を強化するため、RISC-VチップスタートアップRivosを買収したとBloombergが報じました。
買収額などの詳細は明らかにされていませんが、8月の報道によると、Rivosは、20億ドルの評価額で5億ドルの資金調達を目指していたとされています。
2021年に設立され、カリフォルニア州サンタクララに本社を置く同社は、RISC-Vアーキテクチャに基づくAI推論チップを開発してきました。
RISC-Vは、オープンソースライセンスのもとで提供される命令セットアーキテクチャ(ISA)で、ライセンス料が不要です。同社は今年初めにチップの設計を完了し、試作生産のためにTSMCに引き渡しました。8月の報道によると、Rivosは早ければ2026年にもAIチップのリリースを目指しているとのことです。
Metaは以前から、Nvidia製ハードウェアへの依存を減らすために独自チップの開発を進めており、「Meta Training and Inference Accelerator(MTIA)」と呼ばれるチップが2023年に開発中であると報じられました。MTIAは、7nmプロセスで製造され、8ビット整数演算で102 TOPS、FP16演算で51.2テラフロップスの性能を持ち、800MHzで動作し、サイズは約370平方ミリメートルです。
しかしBloombergによると、MetaのCEOマーク・ザッカーバーグは半導体開発の進捗に不満を持っており、開発チームの強化を模索していたとされています。
2025年3月には、韓国のチップスタートアップ「FuriosaAI」がMetaからの8億ドルの買収提案を拒否したことも報じられました。
Metaの広報担当者はBloombergに対し、「当社のカスタムシリコン開発は急速に進展しており、今回の買収はその取り組みをさらに加速させるものです」と述べています。
この買収は、Rivosにとってある意味での転機とも言えます。以前、AppleはRivosが元社員を多数採用し、機密情報を使って競合チップを開発したとして訴訟を起こしていました。
Rivosはこれを否定し、反訴しましたが、訴訟の過程で従業員の約6%を解雇し、4億ドルのシリーズA資金調達も延期されたと報じられています。
両社は2024年2月に和解に至りましたが、和解内容は公表されていません。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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